研究課題/領域番号 |
02454549
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大坪 栄一 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (10158800)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | トランスポゾン / トランスポゼ-ス / 末端逆向±配列 / DNA組換え / DNA転移 / 末端逆向き配列 / Tn3 |
研究概要 |
トランスポゾンとは生物普遍に存在する転移性遺伝因子である。本研究の目的は、バクテリアのトランスポゾンTn3がコードする転移に必須のトランスポゼ-スのこれまでの研究を発展させること、Tn3の転移の分子機構を解明することであり、得られた結果は次のように要約できる。 (1)トランスポゼ-スを精製し、それがTn3の末端逆向き配列IR(38塩基対)中の内側の26塩基対の部分(B領域)を認識することを分子遺伝学的手法により明らかに出来た。Tn3のIR内のB領域に変異を導入すると転移免疫を示さないことから、転移免疫とはトランスポゼ-スがB領域に結合することが必要な現象であることが証明された。外側の12塩基対の部分(A領域)は宿主タンパク質の認識部位かも知れないと考え、大腸菌の祖抽出液を用いてIRに特異的に結合するタンパク質をゲル・シフト法で検索したところ、IR DNAでのみ競合されるタンパク質が存在することが分かった。 (2)トランスポゼ-スは、IR特異的、及び非特異的DNA結合活性を持つ。このようなトランスポゼ-スのドメインを特定するために、トランスポゼ-スを断片化しそれらのDNA結合活性を調べることによって、トランスポゼ-スには少なくとも四カ所の非特異的DNA結合活性を示すドメインが存在すること、N-末に存在する二つが共同して初めて特異的DNA結合活性を示すが、中央領域に存在する他の二つが共同しても特異的DNA結合活性を示さないこと、を明らかにした。 (3)細胞破砕液に精製したトランスポゼ-スを加え、基質としてIRを末端に逆向きに持つものを使用することに依ってTn3の転移反応をin vitroで再現できた。この反応に於いて、ATP及びMg^<++>以外にDNA合成系が絶対的に要求されるがRNA合成系は必要でない。またDNA gyraseのインヒビターを加えると反応は進まない。
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