研究課題/領域番号 |
02454550
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
最上 要 東京大学, 理学部, 助手 (80174332)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 筋突然変異 / 筋原線維 / P因子 / アクチン / PCr / 筋原線維構築 / pcr |
研究概要 |
本研究の目的はショウジョウバエの間接飛翔筋を材料とし、その筋原線維を構成する主要タンパク質の構造遺伝子に突然変異を生じた個体を多数集め詳しく解析することによってそれらのタンパク質が筋原線維の構築に果たしていた役割を明らかにしようというものである。特に以下の2点に重点をおいて研究を行った。 1.ショウジョウバエのトランスポゾンであるP因子の機能をトランスポーゼスと被挿入配列とに分離し、全ゲノム中に1つだけ挿入突然変異が作れるようにした系統を用い、優性飛翔不能突然変異を単離した。第2染色体連関のもの9系統、第3染色体連関のもの80系統を得て、遺伝学的解析を行った。 2.間接飛翔筋のみで発現している88Fアクチン遺伝子の変異を多難集め解析するこしによってアクチン各アミノ酸残基の役割を解明することをめざした。効率の良い突然変異の単離法と変異遺伝子のPCR直接シーケンシング法を確立し、13の新たな変異を得た。変異の症状を詳しく調べた結果、新たに得られたミスセンス突然変異は以下のように分類できることがわかった。(1)ストップコドンが前の方にあるようなナンセンス突然変異と同様な症状を示すもの(V103E、E57K)。この場合変異アクチンは正常構造を全く失っていると解釈できる。(2)正常アクチン遺伝子が1個あるとき前者より改善された症状を示すもの(P307L)。この変異アクチンの構造は正常アクチンと共重合しうる程度のフレキシビリティを保っているものと思われる。(6)正常アクチン遺伝子が2個あっても症状が改善されないもの(G63D、R95C、G156S、G156D、E226K、G268D、G301D、G302D)。これらは構造の一部に完全におかしくなった部分と全く正常な部分とが共存しているものと考えられる。このように変異タンパク質の構造変化を個体レベルでの解析によって推定できることを示すことができた。
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