研究課題/領域番号 |
02454552
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重定 勝哉 京都大学, ウィルス研究所, 助教授 (40009626)
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研究分担者 |
鶴下 直也 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (30201643)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 転写終結 / rho遺伝子 / 大腸菌 / PCR変異誘発法 / 発現ベクタ- / タ-ミネ-タ- / RNA結合ドメイン / RNA依存性ATPase / PRC変異誘発法 / 転写終結因子 / 大腸菌転写制御 / PCR / in vitro 変異誘発 |
研究概要 |
大腸菌の転写終結因子Rhoは新生RNA鎖に結合し、それをATP加水分解のエネルギ-を利用して転写複合体から遊離させるという特異な機能を持つ蛋白因子である。本研究では、多様な変異を含むrho遺伝子のライブラリ-を構築し、それを活用することによりrho蛋白の構造・機能連関を詳細に解明することを目指した。 1.変異導入法の開発:PCR反応を利用する新しい変異誘発法を採り入れることにより、rho蛋白の任意の構造ドメイン中にランダムな変異を効率よく導入するシステムを確立した。 2.変異選択用の発現ベクタ-構築:lacプロモ-タ-、rho依存型タ-ミネ-タ-λtR1およびrho構造遺伝子を順に配置したプラスミド発現ベクタ-を作成した。このベクタ-を大腸菌に導入しlacプロモ-タ-を誘導すると、rhoに機能異常があれば増殖阻害が起こるため、変異株を容易に選択することができる。 3.rho変異ライブラリ-の作成と解析:rho蛋白の一次構造上、機能が不明であったC末端領域にまず注目して、変異ライブラリ-を作成した。そこから、これまでに約50個の変異株を選んで解析を進め、そのうち20個についてDNA塩基配列決定を行った。その結果、C末端近傍の30ー40アミノ酸残基内に変異が集中する傾向がみられ、その領域が機能的に特に重要性な位置を占めることが示唆された。 4.変異rho蛋白の機能解析:上で分離された変異rhoのうち数個を精製し、in vitroの機能解析を行ったところ、RNA結合活性およびATPase活性に異常のあることがわかった。この結果から、rhoのC末端領域はRNA結合とATPase活性の間の機能的共役に関与している可能性が新たに浮かび上がってきた。今後、他のドメインにも解析を広げ、rhoの作用機構をさらに掘り下げていく予定である。
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