研究課題/領域番号 |
02454555
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 寛 大阪大学, 医学部, 教授 (70019876)
|
研究分担者 |
守家 成紀 大阪大学, 医学部, 助手 (40191051)
小笠原 直毅 大阪大学, 医学部, 講師 (10110553)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1991年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1990年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 枯草菌 / シュ-ドモナス / dnaA遺伝子 / DnaA蛋白 / DnaAーbox / oriCプラスミド / 染色体複製 / 染色体の複製開始 / 複製周期 |
研究概要 |
1.染色体の複製はその母体となる細胞の複製周期との関連において時間的に極めて厳密な制御を受けている。細菌ではDnaA蛋白とそれが識別する制御DNA配列(DnaAーbox)が普遍的に存在し、複製開始とその制御において中心的役割を果たしていることが我々の研究により明らかになっている。 2.細菌染色体の複製開始点領域の遺伝子構成については、大腸菌で例外的にoriCがdnaA遺伝子から約40kbp離れた位置にあった。そこで、枯草菌と共に、大腸菌と比較的近いシュ-ドモナスについてその構造決定を拡大した。その結果両細菌においてdnaA遺伝子上流に新たなDnaAーbox領域が見いだされ、さらにそれに連続してgidA遺伝子が保存されていた。すなわち、現在の大腸菌oriCは新たに見い出されたDnaAーbox領域に対応するものであり、進化の過程でgidA遺伝子と共にdnaA遺伝子領域から転座したものであることが明らかになった。 3.枯草菌ではdnaA遺伝子の上流及び下流にDnaAーbox領域が存在するが、その両者が存在すると枯草菌内でoriCプラスミドとして機能することを明らかにした。さらに2つのDnaAーbox領域に認められる特徴的な配列、11個のDnaAーbox、2箇所のAT richな配列、dnaA遺伝子の転写プロモ-タ-、の全てが必須であることが明らかになった。こうした特徴は大腸菌oriC配列と大きく異なっている。最近、大腸菌FractionIIの作成に準じた方法により枯草菌in vitro複製系の開発に成功しており、今後各要素の役割について生化学的な解析を進める予定である。 4.枯草菌dnaA変異株を用いた解析により、枯草菌ではDnaA蛋白量により複製開始頻度が規定されることが示された。抗DnaA抗体による細胞内のDnaA蛋白量の正確な測定法を確立し、DnaA蛋白は複製開始点当り約200分子存在し、その量は細胞の増殖速度にかかわらずほぼ一定であることを明らかにした。
|