研究分担者 |
中野 美代子 北海道大学, 言語文化部, 教授 (00001777)
高井 宗宏 北海道大学, 農学部, 助教授 (20001456)
越野 武 北海道大学, 工学部, 教授 (70001146)
松沢 弘陽 北海道大学, 法学部, 教授 (10000655)
田中 彰 札幌学院大学, 経済学部, 教授 (70000560)
高田 誠二 北海道大学, 理学部, 教授 (10133696)
石坂 昭雄 北海道大学, 経済学部, 教授 (80000686)
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研究概要 |
本研究では,両年度にわたり,数名の外国人を含む研究協力者をも加えて,『特命全権大使米欧回覧実記』をめぐって,約20回の研究会を開催して,それぞれの分担テ-マの研究成果の報告を受けその検討を行った。その際にとりわけ以下の諸点に力点を置きながら研究を進めた。 (1)編者久米邦武の経歴と岩倉使節団での活動,さらに『実記』執筆の活動,その後の学問的活動におけるこの視察の体験の影響をたどること。 (2)『米欧回覧実記』の原稿作成過程の調査。 (3)岩倉使節団を,その政治史的背景や同時代の諸関連のなかに位置付けること。 (4)岩倉使節団の訪問した主要諸国(アメリカ合象国・イギリス・フランス・ベルギ-・オランダ・ドイツ・ロシア・デンマ-ク,オ-ストリアなど)での,『実記』における見聞の記述内容を,相手国側の資料を利用し,史実・実態と照合して正確な復元し,使節団の事実認識がどこまで正確であったか,またどのようなずれをもっていたか,などを再検討・評価すること。またそれぞれの相手国が岩倉使節団をどう受け止め対応いていたかを確認する。 (5)全巻を通じて,岩倉使節団が取り上げた,西洋の工業技術,農業,宗教問題(キリスト教),建築など,重要な項目を横断的に概観して,明治初期における認識とその後における継承を検討すること。 (6)技術などの事項および人名・地名を正確に復元し,その索引を作成することによって『米欧回覧実記』における関心や認識を全体として把握しまた今後の研究の便を計ること。 その成果は,共同研究『《米欧回覧実記》の学際的研究』として纒められ,1992年内に刊行される予定である。
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