研究課題/領域番号 |
02455009
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬渕 一誠 東京大学, 教養学部, 教授 (40012520)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 細胞質分裂 / 分裂溝 / 収縮環 / アクチン繊維 / リン酸化 / カリキュリンA / WGA受容体 / ウニ卵 / ミオシン / アクチン調節蛋白質 |
研究概要 |
1)動物細胞において、分裂装置からなんらかのシグナルが表層に伝達され、これによって正しい位置に収縮環が形成されるると考えられているがこのメカニズムは不明である。ウニ卵でこの過程におけるコムギはい芽凝集素(WGA)受容体の役割を蛍光標識WGAを用いて調べた。WGA受容体は分裂中期においては表層に点状に分布していたが後期には点が集合して多くの塊を作り、更に繊維状に変化した。この分布は蛍光ファロイジン染色によって観察したアクチン繊維のそれと殆ど同じであった。終期には分裂溝予定域に細胞を取り巻く帯として集合したが、これはアクチン繊維の集合と同時だった。この結果、WGA受容体はアクチン繊維の細胞膜結合部位に密接な関係を持つが、アクチン繊維に先だって分裂溝予定域に現われ、アクチン繊維を誘導する可能性は否定された。2)蛋白質脱リン酸化酵素の阻害剤である海綿毒カリキュリンAをウニ未受精卵に与えると細胞質分裂が起こった。この時分裂装置や星状体などは形成されていなかった。分裂溝にはアクチン、ミオシン、WGA受容体が集積して収縮環様構造を作っていた。この変化は蛋白質リン酸化酵素の阻害剤により阻害された。これらの結果から蛋白質リン酸化が収縮環形成に働いている可能性が示唆され、分裂シグナルの実体に迫ることができたと考えている。またこの時染色体の凝縮が起こり、ヒストン1キナ-ゼの活性も高まっており、この活性はサイクリンBに非依存的に現われていた。3)昨年度はタコノマクラ卵第一分裂の分裂溝を界面活性剤を含む溶液を用いて初めて単離したが、今年度はハスノハカシパンでも同様に単離を行なった。更にこの方法を改変し、バフンウニ、ムラサキウニ卵からも分裂溝を単離できた。これらの分裂溝に種をこえて共通に存在する数種の蛋白質成分を、2次元電気泳動上のスポットとして単離し、部分ペプチド配列の決定を行なっている。
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