研究課題/領域番号 |
02507002
|
研究種目 |
試験研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 俊男 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00027088)
|
研究分担者 |
樋口 京一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (20173156)
細川 昌則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00127135)
秋口 一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (30115779)
宮本 政臣 武田薬品, 第1創薬研究所, 主任研究員
松尾 隆夫 武田薬品工業株式会社, 生物研究所, 主席研究員
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
35,300千円 (直接経費: 35,300千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1990年度: 23,900千円 (直接経費: 23,900千円)
|
キーワード | 老化促進モデルマウス / 老年期脳障害モデル / 老化 / モデル動物開発 / 学習・記憶障害 / 脳萎縮 |
研究概要 |
1.P/8脳の1連の形熊学的研究の中で明らかになった所見として次の2つがある。即ちスフエロイドとβ-LIGSである。前者は延髄後索核腫大軸索病変(スフェロイド)でO/8では若齢期より出現し加齢と共に変化み強くなる。後者はヒト合成β/A4_<1-24>ペプチド抗体に反応する径1.5〜2.5μmの顆粒状構造物で中隔野、大脳皮質深層、海馬、小脳、脳神経核及び根部等広汎な部位に認める。本顆粒は加齢と共に増加し、特にP/8脳では著しい。β-LIGSの構成成分はβ/A4部位を含む14〜18KDaのAPP断片の可能性が高い。次に画像解析により,P/8に特徴的な脳幹網様体特に網様体巨細胞核における空胞変性の総空胞数及び空胞総面積が学習・記憶障害程度と密接に関連すること、さらに学習・記憶障害を呈しないR/1系脳の脳幹破壊(両側)により,学習・記憶障害を呈するようになる事実が明らかとなりP/8にみる脳幹網様体特に網様体巨細胞核の海綿状変性が学習・記憶障害発症に重要な役割 を果していることを強く示唆する。 2.新たに確立されたP/10系では,加齢に伴い脳萎縮を示す。即ち生後4ヶ月齢に460mgに達する脳重の生後13〜16ヶ月齢で420mgと約8.6%の萎縮を示す。一連の詳細な形熊形測の結果,最も著して萎縮を呈する部位は大脳前頭野新皮質で,その他の皮質領野,嗅脳系皮質及び扁桃体にも広汎な萎縮を認める。またこの萎縮は大型ニューロンの脱落と細胞体萎縮に基づくことが確認された。この形熊学的変化を反映して,受動的回避学習及びT型迷路を用いた条件回避学習において加齢に伴って増強する学習・記憶障害を認めた。 3.学習・記憶障害の進展を食餌条件の変化により抑止する方法を確立する第一歩として食餌中脂肪酸をかえる,即ち9%ベにばな油(リノール酸に富む)あるいはしそ実油(α-リノレン酸に富む)を含む精製飼料を天々P/8に自由摂取させ種々の学習課題につき検討したところ,しそ実油群にて障害の進展が有意に抑圧されることが分った。
|