研究課題/領域番号 |
02554007
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
目片 守 福井大学, 工学部, 教授 (80025345)
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研究分担者 |
小川 勇 福井大学, 工学部, 助手 (90214014)
立川 敏明 福井大学, 工学部, 助教授 (00020206)
出原 敏孝 福井大学, 工学部, 教授 (80020197)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | ジャイロトロン / ミリ波 / Wバンド / Dバンド / ESR / 後進波管 / 超伝導磁石 / ファブリ-・ペロ-共振器 / ファブリー・ペロー共振器 |
研究概要 |
適当な光源がないために研究が遅れているミリ波領域の分光学的研究を進めるために、福井大学でプラズマ加熱と計測用に開発されているジャイロトロンを光源としたESR装置の開発を行った。 まず、小型高性能の電子銃と、高いQのキャビティ-をもつESR用ジャイロトロンを設計製作し、その動作試験を行った。その結果、クライオスタットの真空漏れ、超伝導磁石電源の故障、高圧電源トランスの焼損などのトラブルに悩まされたが、WバンドからDバンドの93.9GHz〜146.2GHzにわたる広い周波数領域で、ESR光源として利用可能な強い振が確認された。100mAの定常高圧電源も準備できたので、発振開始電流が低いモ-ドでは連続光源として利用できる見込みである。 ミリ波領域ではESRは透過吸収だけを測定することが多いが、本研究ではファブリ-・ペロ-共振器をもつ本性的なWバンドとDバンドのESRシステムを完成させた。後進波管を用いて標準試料DPPHといくつかの低次元格子反強磁性体のESRの測定により装置の性能を調べ、Xバンドでは得られない高い分解能でスペクトルが観測できることを確認した。このシステムでは強誘電体のアクチュエ-タに直流電圧を加えてファブリ-・ペロ-共振器の鏡面間隔を微調節するとともに、それを交流変調して出力の微分値を得、鏡面間隔が常に共鳴条件を満足するようフィ-ドバックすることにより、測定された共鳴曲線に分散成分が混入するのを防いでいる。検出信号を処理し、リアルタイムで表示し、記録できるように課でにソフトウェアが整備されている。以上のように、ミリ波ESR装置はほぼ完成の域に達していて。ジャイロトロン高圧電源が修理され次第、そのミリ波出力を用いてただちに広い温度範囲でWバンドとDバンドの精度良いESRスペクトルが得られると期待される。
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