研究概要 |
本研究は,レ-ザ2焦点流速計(L2F)の小形化・低価格化および光学調整の簡便化を目的として,光ファイバあるいは半導体レ-ザをベ-スとした光学系さらには信号処理系を設計し,新型のL2Fを開発しようとするものであり,風洞試験等を行ってその性能を評価した.得られた主な知見は以下の通りである. 1.光ファイバL2Fについて (1)光ファイバの使用により,従来型の重量で約1/2,容積で約1/3と小形化が実現できた. (2)光学系のSN比は改造前と変わらないが,偏光面を利用した光学スイッチなどはファイバの前に設置することが必要であった. 2.半導体L2Fについて (1)口径48mm,焦点距離120mmの小形(324mm長×98mm幅×140mm高),軽量(5kg)の光学系ヘッドを設計開発した. (2)光源として波長840mmの半導体レ-ザを、また光検知素子としてアバランシェフォトダイオ-ド(APD)を用いた.APDについては簡単な高速増幅回路を設計作成して,レ-ザ光感度の良好性を確認した. (3)測定点の大きさを直径5μmの熱線を用いて確認した. 3.半導体L2Fの風洞試験結果について (1)風洞底面にレ-ザ光を垂直に入射した場合でも,底面から1mmの距離まで測定可能であり,高SN比が確認された. (2)焦点間距離を0.1mmと小さくすることによって,低乱れ流れの計測においてはブロ-ドニング効果が大きいが,2kHzのデ-タレ-トと80%の粒子通過率を実現し,計測時間の大幅な短縮化に成功した. (3)円柱後流の速度分布を計測した結果,横方向乱れ強さが約20%の場合も十分計測できることが確認された.
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