研究分担者 |
安久 正紘 茨城工業高等専門学校, 工学部・電子工学科, 教授 (10016462)
高原 淑恵 (大竹 淑恵) 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (50216777)
鈴木 佐年 茨城工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (10042459)
山本 信雄 茨城工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70042489)
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研究概要 |
波長488,438nmの可視光,300nmの紫外光を水平面上にそれぞれ走査して汚染粒子から半導体ウエハを防御するレ-ザ光バリアを構成し,光束中での微粒子の振舞い,光子・微粒子・周囲気体分子・熱の相互作用現象解明と微粒子の遠隔操作法,排除法の検討を行った。その結果,以下のように従来の研究にはみられない有効な研究成果が得られた。 1.波長488nmの収束レ-ザ光でポリスチレンラテックスの直径1μm〜20μmの粒子を収束点附近でトラップし,粒子の三次元の遠隔移動操作を誠みた結果,粒子は安定に捕捉され,遠隔操作されることが明らかとなった。ダイレクトレ-ザ光走査による光バリアでは直径1μm〜20μmのポリスチレン粒子は光進行方向に排除できるが,そのためにはレ-ザ光のガウス分布光強度を確実に保つことが必要であることが分った。 2.出力1W程度の488nmレ-ザ光バリアでは気流中に懸濁したサブミクロン粒子がそれを突破することが明らかとなった。そのため光圧力効果を高めるための共鳴吸収効果が理論的,実験的に検討され,粒径がコンマ数μmずつ異なると共鳴吸収効果が著しく異なることなど,複素屈折率,粒径,入射光波長の変化による芝鳴吸収の効果等が明らかにされた。 3.ガウス分布強度レ-ザ光で粒子を操作するときに必要な光進行方向や光軸直交方向等に働く光圧力をMie光散乱から計算するプログラムを完成させた。これによってレ-ザ光束中での任意の位置で粒子に働く光圧力のシミュレ-ト法が確立された。 4.レ-ザ光束中で粒子が反光照射方向に突然逆走するという珍奇な現象が観測され,その解明の光照射方向,反対方向の飛翔する粒子の速度や粒子捕捉力の大きさが定量的に測定された。その原因は光泳動力や共鳴吸収放流射力によると推測されるが,それらを明らかにするため真空容器内で粒子をレ-ザ光束によって遠隔操作する実験研究が行われている。
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