研究概要 |
電磁雑音源探査システムを次の4つのサブシステムを統合することにより構成した。(1)アンテナ系:9本のダイポ-ルアンテナを使用。このうち1本は基準アンテナとして用いる。(2)チャネルセレクタ系:8入力ー1出力の同軸切換装置。(3)振幅・位相測定系:ベクトルボルトメ-タを使用し,基準アンテナ受信信号に対する位相,各アンテナの受信振幅を計測する。(4)システム制御系:システム全体の制御およびデ-タの収録並びに前処理を行う。各サブシステムはインタフェ-ス(全て自作)を介し結ばれており、システム制御系よりコマンドにより自動計測が行なえるよう構成した。 自動計測及びデ-タ処理等のため,次の機能を持つソフトの開発を行った。(1)システム制御のためのソフトウェア,(2)収録デ-タ前処理のためのソフトウェア,(3)本処理システム(EWS)へのデ-タ受渡しのためのソフトウェア,(4)本処理及び画面表示のためのソフトウェア及び(5)シミュレ-ション実験のためのソフトウェア。 ミルスクロス法を利用した電磁雑音源探査において,適用できる領域はフレ-ネル領域内である。本システムでは合成開口長を10波長に限定しており,このときのフレ-ネル領域は開口中心から200波長の領域となる。本研究では100波長領域に限定し、推定領域である10波長四方の領域を,限定された100波長四方の中で種々移動させ,シミュレ-ション実験により波源推定の可能性について検討を行った。100波長以内の領域では,ほぼ推定が可能である。また,ミルスクロス法におけるアレ-アンテナ交差角の精度について,波源推定の評価関数を導入して検討を行った。その結果,交差角に対する精度の要求は非常に厳しいことが判明した。推定領域10波長四方内いずれの場所であっても同程度の精度を保つためには,±1度に交差角誤差を保持する必要がある。
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