研究課題/領域番号 |
02555123
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
|
研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
深川 勝之 宇部工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (20043870)
|
研究分担者 |
大成 博文 徳山工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (30045041)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (30043889)
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (00035065)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 限外ろ過膜 / 排水処理 / 活性汚泥法 / 単一反応槽 / ファウリング / セラミックス担体 / エアレ-ション / 生物膜 / 目詰り物質 / 高濃度化 / 硝化反応 / 脱腔反応 / 乱流制御 / 流速分布 |
研究概要 |
限外ろ過膜を排水処理に適用して、高能率化を図るために以下の研究を行ない、一定の成果を得るにいたった。 1.限外ろ過膜の活性汚泥によるファウリング物質について、その抽出分離方法を確立した。ファウリング物質は膜表面では分子量数百万の糖タンパクと分子量数千のペプチドと予想された。ポア内では分子量が数千で膜表面と同じペプチドと予想された。 2.高能率化の重要な課題として、単一反応槽内で有機物・窒素が同時に除去されることが好ましい。実際に単一反応槽内では連続反応が進行している。本研究では理論的に何故可能であるのかを熱力学的に明らかにした。有機物分解の標準酸化還元電位は極めて低く、アンモニア酸化と脱窒反応が同時に進行可能な標準酸化還元電位は430〜747mVの範囲にあり、普通に観察される電位に非常に近い。このため、単一反応槽内では有機物除去、脱窒の同時進行は理論的に十分に可能である。 3.高能率化を図るためにはエアレ-ションと装置内攪拌が重要となる。このため、微細気泡の発生と攪拌を同時に行うための基礎的知見を得た。50〜60μm程度の気泡を作ることにより良好な結果を得た。 4.膜に負担をかけないためには反応槽内の微生物濃度を高くして、膜による固液分離工程での微生物濃度を低くすることが好ましい。多孔性セラミックス担体に高濃度に微生物を付着させる反応槽について検討した。下水を原水として試験した結果、CODについては標準活性汚泥法と同程度の成績を得た。窒素リン除去にも効果があり、装置のコンパクト化、膜分離による下水の再利用が可能となるものと考えられる。 以上のように、膜を利用した排水処理装置に関する基礎的知見を得ることができた。
|