研究課題/領域番号 |
02555146
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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研究分担者 |
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
佐々木 眞 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70187128)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1991年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1990年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 化学気相析出法 / 金属基体 / 超伝導転移温度 / 臨界電流密度 / 磁場依在性 / 結晶配向 / 低温成膜 / 磁場依存性 / 線材化 / 多結晶基板 |
研究概要 |
酸化物超伝導膜を線材として利用するには長尺化が不可欠であり、長尺基体の作製が容易なセラミックや金属の上への成膜が期待されている。本研究では、CVD法により酸化物高温超伝導線材を開発するための基磯的研究として、まず、セラミック多結晶焼結体(Y_2O_3安定化ZrO_2、(YSZ)、Al_2O_3、MgO)を基体に用い超伝導膜の合成を行った。次に金属基体(ハステロイ)上への成膜を試みた。また、基体と膜の間の化学反応を防ぐための中間(バッファ-)層(YSZ層)の効果を調べた。さらに基体との反応を軽減するために析出温度の低温化を試みた。 1.セラミックス多結晶基体上への合成 各多結晶基体上の膜ともYBa_2Cu_3O_<7ーx>の(001)回析ピ-クが強くみられ、c軸が基体面に垂直に配向していることがわかった。YSZとMgO多結晶基体上に作製した膜において超伝導転移がみられ、それぞれ89Kと85Kで低抗がゼロ(Tc(R=0))となった。YSZ多結晶基体上に作製した膜では、77.3K、0 Tで4.4×4×10^3A/cm^2の臨界電流密度(Jc)が測定された。 2.金属基板上への成膜 ハスラロイ金属基板上に直接成膜したところ、膜と基体との反応が認められ、超伝導特性は得られなかった。Y_2O_3安定化ZrO_2(YSZ)を中間層に用いた場合、析出した膜はc軸配向の顕著なYBa_2Cu_3O_xであった。オ-ジェ分析の結果、膜と基体との反応は中間層により抑制されていることが明かになった。析出温度850゚Cで得られた膜は、Tc(R=0)が87Kで、77.3K、0 TでのJcが6.4×10^3A/cm^2であった。 3.析出温度の低温化 結晶性のよい高Tcで高JcのYBCO膜の析出温度が成膜時の酸素分圧に大きく依存していることが明らかになった。P(O_2)=3.6Torrでは850゚付近で、0.036Torrでは700゚C付近で、Tc(R=0)=90-92K、Jc(77.3K,0 T)〉10^6A/cm^2の膜が作製された。
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