研究課題/領域番号 |
02555147
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30016802)
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研究分担者 |
大内 千秋 NKK, 新材料事業部, 技術室次長
熊井 真次 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00178055)
布村 成具 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60016764)
小野 雅司 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (10211145)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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キーワード | 薄膜層 / 疲労 / 接着強度 / インデンタ- / 波形解析 / 薄膜 / 接合 / 微小損傷 / 疲労劣化 |
研究概要 |
薄膜層は製造段階から熱歪等が繰返し加わり、割れや剥離が生じやすく、しかも膜を正確に評価する有効な手法が無い事が開発の障害となっている。本研究は、薄膜の疲労強度や接着疲労強度を硬さ測定用のインデンタ-を用いて材料の微小部分に繰返し負荷を与え、その時の荷重一歪応答波形から音響波形解析の手法を用いて微小な塑性変形量のみを精密に分離し、その変化より表面薄膜層の疲労劣化検出の試験システムを試作することを目的とした。 本試験研究は、まず基磯的なシステム作製とシステム化への問題点を検討し、表面薄膜層内部の微小領域に疲労劣化部を導入試験できることを検証するため、疲労損傷が固執すべり帯として検出容易なアルミニウム合金を用いて試験を行った。光学顕微鏡で損傷位置が観察可能な条件で試験を行った結果、計算より予測した材料内部に固執すべり帯が観察され、材料中の任意の位置(表面〜300μm)の任意の微小領域(10〜100μm)に目的とする疲労損傷が導入できる事が検証され、理論計算ともよい一致を示すことが明らかとなった。また損傷は単に力学的条件のみならず材料の異方性を反映することも明らかとなり、膜の方位特性をも評価できることが示された。引継いて行ったシステム評価では、負荷一歪応答より音響における波形解析の手法を応用して非線形成分、即ち塑性変形成分に対応するヒステレシスを求め、材料の疲労特性との関係を検討した。その結果、非線形成分は薄膜の厚さとともに膜と他物質との接触によるフレッチング疲労とも関連することがわかり、その分野の評価法としても本システムが応用できることが明らかとなった。今後本試験システムの信頼性を上げるために、多くの種類の膜と本システムによる評価の関係をより詳細に検討し、膜使用中のデ-タも含めたデ-タ-ベ-ス化を行う必要がある。
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