研究課題/領域番号 |
02555152
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
紫田 俊夫 (柴田 俊夫) 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
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研究分担者 |
小林 実 三菱電機(株), 生産技術研究所加工技術部, 主幹
長野 博夫 住友金属工業(株), 研究開発本部, 研究主幹
藤本 慎司 大阪大学, 工学部, 助手 (70199371)
谷口 滋次 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029196)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1991年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1990年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | レ-ザ- / 電気化学反応 / 顕微鏡 / 局部腐食 / 走査レ-ザ-電解顕微鏡 / レ-ザ-励起電解 / 粒界腐食 / レ-ザ-めっき / レ-ザ-セッティング / 微細加工法 |
研究概要 |
金属組織観察や耐食合金の局部腐食感受評価、あるいはレ-ザ-めっきやレ-ザ-エッチング微細加工法へ応用することを目的として、走査レ-ザ-電解顕微鏡(Scanning Laser Enhanced Electrochemical Microscopy:SLEEM)の開発を行なった。レ-ザ光源として小型で制御の容易な半導体レ-ザ-(AlGaAsタイプ、平成2年度には出力40mW、波長830nm、さらに平成3年度には高出力80mW型を導入)を用いて、その出力をバイアス電圧のコントロ-ルによって、10Hzから100Hzの矩形波にチョップし、電解質溶液中において定電位に保たれた合金試料に走査しながら照射し、そのときの熱励起による電解電流の変化を、ロックインアンプによって検出するのが、本走査レ-ザ-電解顕微鏡の基本原理である。定電位において検出されるレ-ザ-励起電解電流はその電位における電解電流に比例することが明かとなり、また照射周波数依存性は、照射による表面温度上昇を仮定したモデルの予測したとうり低周波数ほど応答電流値が大きくなることが見出された。ステンレス鋼の場合、その合金成分であるFe、Cr、Niは、それぞれ電位に依存する固有の電解電流を示すので、レ-ザ-励起電流も成分に依存することが明かとなった。また試作したプロトタイプの装置はレ-ザ-スポット径(約10μm)にほぼ等しい位置分解能を有する。以上の解析に基づき成分に依存する大きなレ-ザ-応答電流の得られる最適条件を検討した結果、Feが活性溶解しCrが不働態化するステンレス鋼の不働態域において、鋭敏化ステンレス鋼の結晶粒界におけるCr欠乏域を検出することに成功した。また過不働態電位域の定電位においては、逆にCr量の多い領域のレ-ザ-応答電流が大きくなるので、この条件において二相ステンレス鋼のα相、γ相結晶粒像を検出することができた。さらに微細加工には活性態および過不働態域の定電位条件が適していることが明らかとなった。
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