研究課題/領域番号 |
02555172
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤元 薫 東京大学, 工学部, 助教授 (30011026)
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研究分担者 |
中村 育世 出光興産株式会社, 中央研究所, 研究員
小俣 光司 東京大学, 工学部, 助手 (70185669)
辰巳 敬 東京大学, 工学部, 助教授 (30101108)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 水素移行反応 / 重質油分解 / 炭素触媒 / 石炭活性化 / スピルオ-バ- / 活性炭 / 褐炭 |
研究概要 |
適当な方法で活性化され、高い内部表面積、細孔容積および不飽和点(ラジカル点)等を有する活性炭に水素可能を有する金属またはその硫化物を担持して得た複合体はスピルオ-バ-、逆スピルオ-バ-効果によって重質炭化水素からの液相水素化分解による軽質炭化水素合成に対して優れた水素移行触媒機能を示すことを見いだした。すなわち活性炭表面および残油液中において残油の分解が進行し、同時に残油中の多環高分子量炭化水素(アスファルテン)が活性炭素表面において分解、脱水素(炭素化)が進行することによって炭素表面に水素原子が生成し、それが炭素表面を拡散して金属サイトへ移動し、その表面で残油分解生成物、例えばオレフィン、含硫黄化合物あるいは不対電子を有する炭化水素、などを水素化し、安定な炭化水素あるいは脱硫油を与える。一部は金属上で再結合し、水素原子として気相へ脱離する。この気相への水素の脱離は可逆現象であり、反応条件下における水素の圧力を調節することによって水素の発生と供給をバランスさせ、見かけ上水素の消費を零にしつつ水素化分解を進行させ得ることを明らかにした。この反応モデルはジフェニルプロパンを分解原料とし、デカヒドロナフタレンあるいはテトラヒドロナフタレンを水素供与体とするモデル化合物の反応によって確認した。 優れた性能を持つ安価な炭素担体を調製することを目的として各種石炭を高温の水素で処理すると水素化能は高いが分解活性の低い担体が得られ、高温の炭酸ガスで処理すると分解活性が著しく高い触媒が得られた。この触媒を用いて水素をほとんど消費することなくアスファルトを100%分解し、優れた性状の留出油を得ることが可能となった。 この知見に基づいて新しい石炭ー石油coーprocessing法を提案した。
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