研究課題/領域番号 |
02555173
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
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研究分担者 |
佐々木 富 日東化学工業KK, 中央研究所, 取締役所長
上田 渉 東京工業大学, 総合理工学研究科, 講師 (20143654)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | プロパン / アルカン / 接触酸素酸化 / 接触アンモ酸化 / アクロレイン / アクリロニトリル / 複合酸化物触媒 / シーライト型酸化物 / 酸化脱水素 / プロピレン / 欠陥シ-ライト / 複合酸化物 / アクソロニトリル / アンモ酸化 / 欠陥シ-ライト触媒 / イソブタン |
研究概要 |
アクロレイン、アクリロニトリル等の炭素数3の化学品は、現在工業的にプロピレンの酸化またはアンモ酸化で合成されているが、燃料としてしか評値されていない安価なプロパンの転換によりこれらの中間原料が合成できればその価値はきわめて高く、これを目的として本研究を行った。高濃度のプロパン(35〜40%)と酸素の混合ガスを、500℃付辺で欠階シーライト型の複合酸化物上に通すと、プロパンの転化率は20%以下と低いものの、60%以上の高選択率でアクロレインが生成し、さらにこの系にアンモニアが共存すると、65%の選択率でアクリロニトリルが生成することを見出した。またこの反応が、プロパンが均一系ラジカル反応でプロピレンに酸化脱水素され、生じたプロピレンが複合酸化物触媒上での接触反応でα.β-不飽和化合物に転換される機構で進行することを明らかにした。触媒としては、Bi0.85V0.55Mo0.45O_4、Bi0.85Nb0.55Mo0.45O_4、Bi0.85Ta0.55Mo0.45O_4等のシーライト型複合酸化物や、これに少量のAgを添加したもの、Bi_3Fe_1Mo_2O_<12>型の複合酸化物などが有効であった。 上記のプロセスは、プロパンの接触酸化ではじめて有効にα.β-不飽和化合物が合成できることを示したもので、産業界にも大きなインパクトを与えたが、転換の過程に均一系のラジカル反応を含むため、反応制御が困難であるという欠点を伴う。ラジカル反応は原料中のプロパンの濃度が10%以下になるとほとんど進行しないことも明らかにし、この領域での接触酸化についても検討を行った。α.β-不飽和化合物への直接転換は十分でないものの、CoMoO_4がプロパンの酸化脱水素でプロピレンを生成する良い触媒であることを見出した。さらにプロパンの酸化は気相に酸素が存在せず、触媒の保有する酸素で酸化を行うときわめて選択的に部分酸化生成物に転換できることを見出し、今後の研究に大きな指針を与えた。
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