研究課題/領域番号 |
02555183
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸倉 清一 北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)
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研究分担者 |
瀬尾 寛 富士紡績(株), 商品開発研究所, 主任研究員
三浦 嘉晃 北海道大学, 理学部, 教務職員 (00240630)
西 則雄 北海道大学, 理学部, 助教授 (70001857)
重政 好弘 鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1990年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | カルボキシメチル-キチン / キトサンビーズ / アルギン酸繊維 / 徐放性 / ドラッグデリバリーシステム / カルボキシメチルキチン / 生体内消化性 / 徐放性担体 / ネオカルチノスタチン / 抗腫瘍剤 / 包接化 / カルシウムイオンキレ-ト / 中性アミノ酸 / キチン誘導体 / 高分子医薬 / スペ-サ- / 生体内安定性 / プロドラッグ / カウシウム錯体 |
研究概要 |
生体内消化性キチン誘導体であるカルボキシメチル-キチン(CM-キチン)を担体とする高分子化医薬による医薬輸送について実用化を目指した研究を行った。医薬をCM-キチンにペンダントする場合、スペーサーと医薬間の結合を分子設計することにより、皮下注射でも生体内で2次元加水分解を受けて血管内で医薬の活性化の起こることを明らかにした。また、CM-キチンはカルシウムイオン存在下でベンジル基を持つ医薬類を特異的に吸着すること、更にこの吸着によりCM-キチンが高分子量を保つ間は吸着した医薬の安定化に寄与する事も見いだした。この際プロドラッグを吸着させると、やはり2次元加水分解が起こることも見いだした。一方、CM-キチン水溶液に3価の鉄イオンを添加すると共存する医薬を巻き込んでゲル化が起こることも見いだした。しかも添加する鉄イオンが2価であれば全く影響なくゾル状態であり、医薬との均一混合が非常に楽である。しかしこれらの方法では、高分子量の医薬を包接する事は出来ないので、この場合はカルシウムイオンによる吸着と3価鉄イオンによる包接との協同作用で医薬或いはプロドラッグの包接に成功した。更に多孔性キトサンビーズをN-アセチル化後、インスリンを濃縮吸着させる手法についても研究し、糖尿病ネズミに経口投与でかなりの効果が観測できた。また海草由来の多糖であるアルギン酸にインスリンを高濃度で包含させたままで紡糸後細粉化する手法についても研究し前記ネズミに経口投与し非常に良い結果を得た。この様に水溶性で生体内消化性のCM-キチンは徐放性医薬の担体として好適であることを示し、更に実用化の障害となる毒性についても^<14>C標識CM-キチンや蛍光標識CM-キチンを用いて詳しく研究し低毒性であると共に静脈注射により骨髄細胞とくに顆粒球とマクロファージに集積されることを見いだし実用化へ明るい見通しをつけた。
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