研究課題/領域番号 |
02556018
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山根 明臣 東京大学, 農学部(林), 教授 (30182588)
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研究分担者 |
蒲谷 肇 東京大学, 農学部(林), 助手 (50012084)
山中 征夫 東京大学, 農学部(林), 助手 (50012092)
鈴木 誠 東京大学, 農学部(林), 助手 (40012091)
石田 健 東京大学, 農学部(林), 助手 (90192484)
佐倉 詔夫 東京大学, 農学部(林), 講師 (70012078)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 野生動物管理 / ニホンジカ / シカ囲い / 電撃柵 / 常緑広葉樹林 / 東京大学千葉演習林 / ヤマビル / ツキノワグマ / 常緑広葉樹 / 森林環境保全 / シカ・リザ-ブ / 東大千葉演習林 / 総合的森林管理 / 獣害防除 |
研究概要 |
森林に関する総合的な研究教育課題を多面的に推進している演習林において、最近、野生動物特にシカの生息数や分布域が増し、造林木の食害や天然林の林床植生破壊等の被害が著しい。密度増大や被害発生の要因究明とともに、環境収容力の的確な把握を基礎に、適切な野生動物管理システムの確立が必要である。このため、これまでの自然条件下での観察では困難であった、移出入や人為による撹乱の無い個体群について餌資源や生活空間の利用状況を把握できるよう、約40haの森林を柵で囲ってシカリザーブを設けた。柵は作設・維持コストの安い太陽電池を電源とする電撃柵を用いた。この柵は長期にほぼ囲いの機能を維持できた。苗畑では配線間隔の密な電柵でほぼ完全にシカの侵入を防いだ。なお、防護柵設置の試みは単に研究手法でなく、管理技術素材開発の意味もあった。 千葉演習林ではリザーブ内外のシカ個体群密度の変動と対応した食害状況を測定したが、捕獲・発信器/標識装着・追跡の計画は捕獲が困難で、地形が複雑なためほとんど実行できなかった。一方、秩父演習林では多数のツキノワグマの捕獲に成功した。 千葉県等による有害獣駆除事業等でシカ密度は低下し、被害は軽減されている。捕獲は銃によるのが普通であるが労力や経費に問題点が多い。常設の追込み囲い罠等、安全で確実な捕獲技術の開発、体制の整備が一層の研究調査のためにも望まれる。また、常緑広葉樹林のシカについては区画法に替わる、フイルドサインによる生息数推定方法等の開発が今後の課題である。なお、シカ増加に伴ったヤマビル大発生について基礎的研究を行った。 結論として、広域的には動物密度や食害状況を常時把握し、環境収容力に応じた性、年齢構成をも配慮した適正な密度管理、局所的には被害状況に応じて防護柵、忌避剤等を活用した被害防除を行うことが演習林における野生動物管理の基本となろう。
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