研究概要 |
1.ポ-タブル型木材重量水分センサの試作 本研究では,S/N比向上のために高出力広帯域の電圧制御発振器を用いて,マイクロコンピュ-タにA/Dコンバ-タとD/Aコンバ-タとを取り付けて,共振周波数の周波数シフト量と共振ピ-ク電圧の減衰量とを高速のピ-ク検出で精度よく測定し,平均化し,木材の重量(標準偏差2.5g/m^2)と含水量(標準偏差0.125g/m^2)とを同時に計測できた。計測制御するソフトはC言語で開発し,ROMを行い,一体化したコンパクトなポ-タブル試作器を製作した。 2.スキャン型木材重量・水分グレ-ダ-の試作 ポ-タブル器の試作でポイント測定を可能にしたが,つぎに,木材を移動させることにより,木材の重量分布とを計測できるようにし,グレ-ダ-としての性能を調べた。特に,共振器の大きさを変化させて,木材の場合,空間分解能として2cm程度を得た。つまり,2cm程度の範囲での平均値が出るようにして,木目の方向には無関係なクイクロ波共振器を考案した。木材を直進テ-ブルで移動させて,木材の重量と水分の全プロファイルを求めた。 3.アレイ型木材重量・水分グレ-ダ-の試作 最後に,機械的なスキャンを用いないで,電子スキャンによる木材用の水分グレ-ダ-としての基礎的な測定を行った。つまり,共振周波数の異なるマイクロ波共振器を4〜8個並列に配置して,一個のマイクロ波発振器から分配器でマイクロ波をそれぞれのマイクロ波共振器に分割して,それらの透過波を結合器で合わせて,1つの検出器で測定するシステムを製作した。そうすれば,そのセンサ-ヘッドを木材にあてるだけで,水分分布を瞬時に計測することができた。
|