研究課題/領域番号 |
02557009
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
徳光 浩 名古屋大学, 医学部, 助手 (20237077)
渡辺 正人 名古屋大学, 医学部, 助手 (30220924)
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
小林 良二 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00020917)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | プロテインキナーゼ / プロテインキナーゼ阻害剤 / 阻害剤データベース / プロテインキナ-ゼ / プロテインキナ-ゼ阻害剤 / 阻害剤デ-タベ-ス |
研究概要 |
プロテインキナーゼは蛋白質分子に燐酸基を導入する反応を触媒する酵素だが、この反応がダイナミックに、また時には繊細に、細胞機能調節に関与していることが明かになってきた。今やプロテインキナーゼの種類は100種類以上にも昇り、これら個々のプロテインキナーゼの生理機能解明にはその構造的・機能的研究が必須である。本研究では独自の阻害剤データベースを駆使して、プロテインキナーゼの機能ドメインの三次構造の推定、新しい特異的阻害剤の開発、そしてこれらから各プロテインキナーゼの生理機能に迫ることを目的とした。その結果、カルモデュリンキナーゼII(キナーゼII)が平滑収縮、中枢性血圧調節、インスリン・エンドセリンの分泌現象をはじめとする様々な細胞応答に関与することをキナーゼIIの特異的阻害剤、KN-62を用いることによって明かにした。また、cAMP依存性蛋白質燐酸化酵素(Aキナーゼ)がc-fos mRNAの増加、或いはimmedeiate early geneのインダクションに関与することをAキナーゼの特異的阻害剤、H-89を用いて明かにした。新たな特異的阻害剤の開発として、キナーゼII、及び現在最も注目を集めている、Mitogen Activated Proteinキナーゼ(MAPキナーゼ)の下流に位置する新しいキナーゼの特異的阻害剤を阻害剤データベースのデータを基にして夫々開発した。キナーゼIIの特異的阻害剤、KN-62が、我々が新しく発見したカルモデュリンキナーゼVをもカルモデュリン拮抗的に阻害することを発見し、一部のカルモデュリン依存性キナーゼでは、カルモデュリン結合部位が極めてよく保存されていることが間接的にではあるが証明された。 この様に、各プロテインキナーゼの生理機能を明かにし、また阻害剤データベースを基にした新しいいプロテインキナーゼ特異的阻害剤開発の成功、そして特異的阻害剤を用いたプロテインキナーゼの分子構造解明を成しえたことで当初の目的はほぼ達成されたと考える。
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