研究課題/領域番号 |
02557016
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
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研究分担者 |
木村 皓俊 (木村 晧俊) (株)ペプチド研究所, 研究部長 (30072771)
宮田 敏行 九州大学, 理学部, 助手 (90183970)
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1990年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 血液凝固VII因子 / 組織因子 / 合成ペプチド基質 / 外因系凝固反応 / γーGlaドメイン / 体液プロテア-ゼ / モノクロ-ナル抗体 / エステラ-ゼ / VII因子 / 蛍光性ペプチド基質 / IX因子 / X因子 |
研究概要 |
血液凝固VIIa因子(VIIa)は、Ca^<2+>、リン脂質存在下で、組織因子(TF)と分子複合体を形成しつつ、外因系凝固反応を開始させる。分子レベルでのVIIaとTFとの相互作用については、末だ胎ど不明のままであるが、その理由のひとつは、VIIaーTF複合体の活性を直接測定できる適当な合成基質がないからである。1978年、Nemersonらは、VIIaによるZーArgーpーnitrobenzyl ester(ONb)水解を見い出し、pHスタットを用いた測定法を考察した。本研究では、ZーArgーONbに加えて、新しいBocーLeuーThrーArgーONb基質を合成するとともに、逆相HPLCを組合わせたVIIa因子の高感度測定法を開発した。その原理は、未分解の基質と水解によって生成するpーnitrobenzyl alcoholを、オ-トサンプラ-と直結した0.1%TFAー45%CH^3CN(isocratic)系のCosmosil_3C_<18>(4.6×50mm)カラムを用いて分別することにあり、基質の水解量は、280nmでのpーnitrobenzyl alcoholのpeak heightから測定した。この方法を用いてVIIa測定の反応条件を検討した結果、VIIa因子によるこれら合成基質の水解は、TFの存在下で著しく促進されることが明らかとなり、Nemersonらがかつてエステル基質の水解にTFは要求されないとした報告とは異なった。すなわち、VIIaとTFの存在する反応系では、TF不在の系に比べて、VIIaの合成基質水解能が約70倍高まった。一方、γーGlaドメインを除去したVIIaでは、エステラ-ゼ活性そのものはintact VIIaのそれと同じであるものの、TFによりエステラ-ゼ活性増強効果は消失した。従って、VIIaとTFとの分子間相互作用にγーGlaドメインの関与する可能性が強く示唆される。 また、上記の研究に加えて、VII因子とTFのモノクロ-ナル抗体を作製するとともに、それらを用いた新しい体液プロテア-ゼの活性測定法についても検討した。未だ公表できる段階に達してないが、その完成を目標に研究を進めつつある。
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