研究課題/領域番号 |
02557023
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
金政 泰弘 岡山大学, 医学部, 教授 (80033059)
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研究分担者 |
浅野 真理 (藤井 真理) 岡山大学, 医学部, 助手 (40212485)
松下 治 岡山大学, 医学部, 助手 (00209537)
小谷 信行 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (80231314)
国富 泰二 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10033292)
平井 義一 岡山大学, 医学部, 助教授 (00127581)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | マイコプラズマ肺炎 / Mycoplasma pneumoniae / 間接螢光抗体法 / ラテックス凝集法 / DNAプロ-ブ法 / 咽頭スワブ / 臨床検査診断 / 間接蛍光抗体法 / ラテックス凝集反応 / DNA-プロ-ブ / Mycoplasma pheumoniae / DNAプロ-ブ |
研究概要 |
我々はマイコプラズマ肺炎の発症早期迅速診断のための臨床検査診断法として咽頭よりMycoplasma peumoniaeを迅速に検出する間接蛍光抗体法(IF)とラテックス凝集反応(LAT)を確立し臨床検体(咽頭ぬぐい液)で検討を加えた。又同様の方法としてDNAーprobe法(DP)が市販されているため、IFとLATの2法とDPとの比較検討を行った。 まずウサギにてM.pneumoniaeに対する抗体を作成した。この抗体はM.pneumoniaeのみではなく多種のマイコプラズマに対して反応した。しかし、培地成分である馬血清および酵母抽出液と反応する画分を抗体より吸収・除去するとM.genitalium以外のマイコプラズマに対する交差反応はすベて消失した。吸収・除去後の抗体はM.genitaliumと反応したが、この反応はM.pneumoniaeに対するものに比べ弱くまたM.genitaliumは泌尿生殖器の棲息菌であるため、咽頭からのM.pneumoniae検出には問題ないと考えられた。このM.genitaliumとの交叉反応はDPでも同様の状況である。 最高検出菌数(感度)はIF:約2×10^5CFU/ml、LAT:2×10^5CFU/ml、DP:5×10^4CFU/mlであり、DPが最も優れていた。一方実際の臨床検体(咽頭ぬぐい液)では血中抗体価上昇によりM.pneumoniae感染と確定した患者よりの検体中IF陽性は85.7%であった。培養陽性の検体中ではIF陽性73.3%、LAT陽性63.3%、DP陽性26.6%、であり、感度において最も優れていたDPが臨床検体での陽性率では最も低値であった。 M.pneumoniae菌液を37℃で保温しておき、これより経時的に菌液を取りだしLATおよびDPにて測定した。LATでは測定値(凝集陽性最高希釈倍率)は三日間変化しなかったが、DPでは測定値(検出cpm)は時間単位で激減した。従ってLATおよびIFの検出する抗原は安定で咽頭にて集積効果が期待できるのに対し、DPの検出するリボゾ-ムRNAはすみやかに分解されることが判明した。臨床検体でのDP陽性率が低いのはこのことが一因と考えられる。 最終的に我々が検討した3方法(IF,LAT,DP)ではIFが最も臨床検体で検出率が高いが、この方法は判定にある程度の習熟をする必要があることなど問題点もある。一方LATは非常に簡便で、臨床検査室で容易に行い得る。又検体処理法の改善で感度上昇の余地があり、このLATの実用化に向けさらに努力したい。
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