研究課題/領域番号 |
02557034
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三河 春樹 京都大学, 医学部, 教授 (00026866)
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研究分担者 |
難波 敏彦 株式会社クラレ, 中央研究所, 研究員
眞弓 光文 京都大学, 医学部, 講師 (70135581)
熊谷 俊一 京都大学, 医学部, 助手 (00153346)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
1990年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 可溶性Fcεレセプタ-II / 可溶性CD23 / 測定キット / アレルギ-疾患 / 自己免疫疾患 / 血液疾患 |
研究概要 |
可溶性Fcεレセプタ-IIの測定系を標準化し、多施設での測定値の比較を可能とすることにより、可溶性Fcεレセプタ-IIの臨床的意義を明らかにすることを目的として以下の研究を行なった。(1)可溶性Fcεレセプタ-II測定の標準法となりうる精度の高い測定キットを作製する。(2)この測定キットを用いて、アレルギ-疾患、血液疾患、免疫疾患患者血清中の可溶性Fcεレセプタ-IIを測定し、その臨床的意義を明らかにすることにより、可溶性Fcεレセプタ-II測定の臨床応用を可能とする。まず(1)に関しては、我々の開発した異なる抗原エピト-プを認識する2種類のモノクロ-ナル抗Fcεレセプタ-II抗体を用いたサンドイッチELISA法による測定キットの精度は極めて高く、可溶性Fcεレセプタ-IIの測定系の標準となる測定キットを開発するという目的は達成された。(2)の研究ではまず、気管支喘息やアトピ-性皮膚炎を有する乳幼児において、血清の可溶性Fcεレセプタ-IIが有意に高く、乳幼児アトピ-性疾患のマ-カ-となりうることが明らかになった。さらに、臍帯血の可溶性Fcεレセプタ-IIの高値は、生後のアトピ-性疾患発症の危険性が高いことを示すパラメ-タ-であることも明らかになった。また、自己免疫疾患においても、関節リウマチ、SLE、シェ-グレン症候群の患者で血清の可溶性Fcεレセプタ-IIは高値を示した。特に、関節リウマチでは骨破壊の強い重症型で、SLEでは活動期の患者で血清の可溶性Fcεレセプタ-IIは高値を示し、可溶性Fcεレセプタ-IIとこれら疾患の病勢との関連性が示唆された。さらに、AIDSの原因であるHIV感染者では血清の可溶性Fcεレセプタ-IIは高値を取ることが多く、逆に、成人型T細胞性白血症(ATL)患者では低値を取ることが多いことが明らかになった。このように、可溶性Fcεレセプタ-IIは種々の疾患において、その免疫機構の活性化の状態や病勢と強く関連するものであり、可溶性Fcεレセプタ-IIを測定することの臨床的有用性が明らかにされた。
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