研究課題/領域番号 |
02557041
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
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研究分担者 |
鈴木 洋一 東北大学, 医学部, 助手 (80216457)
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
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キーワード | フェニルケトン尿症 / 乾燥濾紙血液 / 対立遺伝子特異的増幅法 / 異所性mRNA / 非ケトーシス型高グリシン血症 / 遺伝子診断 / 遺伝子変異 / 中鎖アシルCoA脱水素酵素 / メチルマロン酸血症 |
研究概要 |
本研究では中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、メチルマロン酸血症、非ケトーシス型高グリシン血症、フェニルケトン尿症、ピルビン酸脱水素酵素欠損症などの先天代謝異常症の多くの症例について遺伝子解析を行い病因変異を明らかにした。その結果を基に、乾燥濾紙血液や胎児絨毛などの微量試料を用いて変異を検出する簡易遺伝子診断法を各種の疾患で確立するとともに、遺伝子変異と表現型の関連性、病因変異アレルの頻度を検討した。以下その主なものを報告する。 1)中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症;34例の白人患者の解析により、K329E変異が高頻度(病因対立遺伝子の91%)に見られることを明かにし、変異検出による遺伝子診断法を確立した。この方法による保因者頻度を検討した。 2)メチルマロン酸尿症;メチルマロニルCoAムターゼ遺伝子の構造解析を行い、更に、日本人症例の遺伝子変異を検索した。8例中5例ではmRNA量の著明な減少を見たので、2段階PCR法による解析が必要であった。これまで3種類のミスセンス変異(R369H、V368D、V669G)、1種類のナンセンス変異(E117X)、及び1種類の塩基欠失(2-bp del)を見いだした。E117X変異は血縁関係のない5症例(6対立遺伝子、37.5%)に認められたことから、本邦で比較的頻度の高い変異であることが示唆された。 3)非ケトーシス型高グリシン血症;高頻度にみられるフィンランド人患者のリンパ芽球を用いてP蛋白の遺伝子解析を行ったところ、S564I変異を同定した。同変異の検出法を開発し、患者の70%は同変異によるものであることを明らかにした。本症で初の遺伝子解析による出生前診断に成功した。 4)乾燥濾紙血液を用いたフェニルケトン尿症の簡易遺伝子診断法;東洋人PKUにつき、対立遺伝子特異的増幅法(ASPCR法)で検出する簡易遺伝子診断法を開発した。この方法は複数の変異を同時に検出することが可能である。
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