研究課題/領域番号 |
02557052
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎮西 垣雄 (鎮西 恒雄) 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20197643)
|
研究分担者 |
藤正 巖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
満渕 邦彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349)
阿部 裕輔 東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
井街 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (10010076)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1990年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
|
キーワード | 人工心臓 / 駆動装置 / 液化ガス / 閉鎖回路 / 空気圧駆動 / 模擬循環回路 / 左心バイパス |
研究概要 |
人工心臓の駆動方式には、空気駆動方式、液体駆動方式や機械駆動方式がある。空気駆動方式は人工心臓ポンプの形態の自由度が大きく制御性が良いという利点があるが、駆動装置の小型化が難しいという難点がある。これを解決する方法として、サック型やダイヤフラム型の血液ポンプを駆動できる新しい原理の人工心臓駆動装置を考案した。本装置の作動原理は、1)駆動源には液化ガスを使う。2)ガスは液体の状態で回路中に蓄えられ、この液化ガスの気化圧で人工心臓ポンプのサックを押し血液を駆出する。3)気化したガスは小型のコンプレッサーにより吸引圧縮され、冷却液化される。この際、陰圧がポンプに加わり血液を吸引する。この閉鎖サイクルの繰り返しにより血液ポンプが駆動される。この装置では、液化ガスの液相-気相の相平衡が保たれていれば常に一定陽圧が得られるため、小さな閉鎖回路で無限大の陽圧源チャンバーをもつ空気圧型駆動装置と同等になる。 この駆動原理を実証するために、駆動原理に忠実に第1次プロトタイプを製作した。このプロトタイプで、本駆動原理が有効であることが証明されたが、同時に上記駆動原理のみでは駆動の安定性に問題があることが判明した。さらに、第1次プロトタイプの設計値では、発生する陽圧が高く、人工心臓の駆動の目的には減圧を要することがわかった。次に小型高効率化、安定化を目指して第2次プロトタイプを製作した。このモデルでは、駆動回路にバイパスを設け、作動ガスを新たに選定するなどの改良の結果、駆動の安定化が図られ、やや効率が上昇した。しかし、温度、圧力センサの配管を通じた熱損失が設計値以上に多く、高効率化は不十分であった。以上2例のプロトタイプの製作を通じて、小型高効率のコンプレッサと十分な遮熱を施した駆動回路で構成することで、臨床での使用に耐える小型駆動装置が開発可能であることを示した。
|