研究課題/領域番号 |
02557071
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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研究分担者 |
井上 博之 大阪大学, 歯学部, 助手 (90167271)
作田 守 大阪大学, 歯学部, 教授 (60028751)
加藤 幸夫 広島大学, 歯学部, 教授 (10112062)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1991年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1990年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 成長軟骨 / 関節軟骨 / 軟骨細胞 / 機械的刺激 / 細胞増殖 / 分化 / プロテオグリカン合成 / 軟骨 / 重力 / 力学的影響 / 培養 / 増殖 |
研究概要 |
結合組織、とくに骨格の発生や成長に対して重力などの機械的な刺激が著明な影響を及ぼすことはよく知られているが、その刺激がどのような機構で骨格に伝えられるのかという点については全く解明されていない。成長軟骨は骨の成長の中心であり、また関節軟骨はクッションの役割を果たす意味で、それぞれ重要である。そこで本試験研究では、我々が独自に開発した「軟骨細胞を遠心管内で培養する高密度浮遊培養系」を利用して成長軟骨細胞および関節軟骨細胞の増殖と分化に対する遠心力負荷の影響を検討した。 ウサギ肋軟骨より調製した成長軟骨細胞(RC)をペレット状で浮遊状態で培養すると増殖軟骨細胞から成熟軟骨細胞を経て肥大軟骨細胞へと順次、分化し、初期石灰化現象をin vitroで再現させることができた。しかし、in vivoでも石灰化しない関節軟骨細胞(AC)は成長軟骨細胞と同じ条件で培養しても全く石灰化の段階には到達しなかった。この培養系に遠心力を負荷するとACでは ^3HーチミジンのDNAへの取り込みが上昇したが、RCでは殆ど影響がみられなかった。一方、 ^<35>Sー硫酸のプロテオグリカンへの取り込みは、ACおよびのいずれの場合でも著明に促進された。遠心負荷によるプロテオグリカン合成の促進機講は不明であるが、インドメサシンによってこの取り込みが阻害されないので、少なくとも、この過程にプロスタグランジンが関与するとは考え難い。軟骨細胞はインスリン様成長因子(IGF)をはじめ、線維芽細胞成長因子(FGF)、トランスフォ-ミング成長因子ーβ(TGFβ)やコンドロモジュリン(ChM)・ファミリ-を自ら産生しているので、機械的刺激に対する応答性がこれらの局所因子(オ-ト・マトリクライン因子)を介して発現している可能性が考えられる。以上のような我々の研究結果は遠心負荷のような物理的刺激が直接、軟骨細胞に作用してその増殖や基質産生に影響を及ぼすという証拠を示したものである。
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