研究課題/領域番号 |
02557104
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財・東京都臨床医学総合研究所, 薬理, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
石田 美知子 財, 東京都臨床医学総合研究所・薬理, 研究員 (90124437)
郭 伸 国立精神神経センター, 神経研究所, 室長 (40160981)
大船 泰史 財, サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (20142078)
SHINOZAKI Haruhiko The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, Pharmacology, Head Research (20109945)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1991年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1990年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | グルタミン酸 / 代謝調節型グルタミン酸受容体 / シナプス前抑制 / 単シナプス反射 / 神経細胞死 / NMDAアンタゴニスト / カイニン酸 / アクロメリン酸 / cーfos / 興奮性アミノ酸 / 片側半球壊死 / 脳虚血 |
研究概要 |
代謝調節型グルタミン酸受容体の強力なアゴニストであるLーCCGーIは、ラット脊髄摘出標本において、シナプス前抑制を増強し、とくに単シナプス脊髄反射を著しく抑制する。抑制の様式はtransーACPDとは異なるらしい。LーCCGーIによる単シナプス反射抑制に対して、これを増強、消減させるなどの影響を与える薬物は未だに見つかっていない。LーCCGーIを脳室内微量投与すると、ラットは全身の筋弛緩が起こる。このことは、脊髄の単シナプス反射の抑制作用との関連で極めて興味深い。LーCCGーIやtransーACPDはかなりの量を、側脳室、大脳皮質、海馬CAIおよびCA3領域に適用しても、適用部位周辺に神経細胞死を起こさなかった。一方、LーCCGーIをあらかじめ砂ネズミの海馬CAI領域に適用しておくと、虚血負荷後の海馬CAIの神経細胞壊死は、かなりの程度抑制された。このことは、神経細胞死に至る過程で、代謝調節型グルタミン酸受容体は神経細胞を保護する役割があると思われる。 「デングダケ」から、興味あるアミノ酸が抽出単離され、その4つの構造異性体のすベてが合成された。哺乳動物では内因性物質であるという。NMDA受容体に対してアンタゴニスト活性を示すが、4つの構造異性体とも、それ自体では脱分極を起こす能力はなく、NMDAによる脱分極応答を抑制した。4つの構造異性体のうち、最も活性の強い異性体の活性は、既に知られている選択的NMDA遮断薬であるDーAPVの約20分の1程度であるが、4つの異性体とも、ほぼ同等の抑制を起こす。NMDA受容体は、神経細胞死に直接関係するといわれており、その活性を阻害する物質が生体内に存在することは、極めて興味深い。なお、他の受容体サブタイプの応答に対しては、代謝調節型受容体を含めて、何も作用を示さない。
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