研究課題/領域番号 |
02557113
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内山 卓 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80151900)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | インタ-ロイキン-2受容体 / レセプタ-抗体 / 免疫抑制剤 / リシン / ILー2受容体抗体 |
研究概要 |
IL-2受容体α鎖、β鎖へのIL-2結合をそれぞれ阻害する抗Tac抗体(anti-Tac)、2R-B抗体(2R-B)を精製し、それに植物毒であるリシンのA鎖(RTA)を結合させ、その効果を調べた。anti-Tac-RTAは、α鎖を発現しているHut102等の細胞株の蛋白合成( ^3H-leucine incorporation)を最大90%阻害すると共に、その増殖を阻止する。一方、2R-B-RTAもβ鎖を発現しているYT2C2等の細胞株の蛋白合成を最大90%阻害すると共に、その増殖を阻止した。しかしながら、それぞれ、α鎖、β鎖を発現していない細胞株に対しては、増殖抑制効果は認められなかった。又、これらimmunotoxinの蛋白合成に対する効果は、NH_4Cl等の添加により増強(最大99%)した。次に、免疫抑制作用を検討する目的で、2R-B-RTAの混合リンパ球培養(MLC)、LAK細胞活性への効果を見た。MLCでのDNA合成は最大約80%阻害され、LAK細胞のDNA合成も約60%阻害したが、RTAの非特異的なDNA合成阻害も見られ、今後の臨床応用に関し問題となる可能性が考えられた。又、成人T細胞白血病(ATL)は、その白血病細胞が構成的にα鎖、β鎖を発現しているため、これらのimmunotoxinを用いた治療効果を検討する目的で、ATL患者末梢血単核球の蛋白合成に対する効果を見た。分離直後の細胞に対しては蛋白合成阻害は認めないが、数日間培養した細胞に対しては、anti-Tac-RTAは30-40%、2R-B-RTAは60%の蛋白合成阻害を認めた。このように、RTA結合IL-2受容体抗体は、少なくともinvitroの実験結果からは、免疫抑制剤として治療に用いうる可能性が十分にあると考えられた。
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