研究課題/領域番号 |
02557114
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 三重大学 (1991-1992) 徳島大学 (1990) |
研究代表者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究分担者 |
桑田 学 エーザイ株式会社, 研究所, 研究員
吉武 新次 エーザイ株式会社, 研究所, 主任研究員
楢木 徹 エーザイ株式会社, 研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1992年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1991年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1990年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | プロテインC / プロテインCインヒビター / α_1アンチトリプシン / APC-PCI複合体 / APC-α_1-AT複合体 / 分子マーカー / 凝固亢進状態 / 血管内凝固 / 活性化プロテインC / プロテインCインヒビタ- / APC・PC1複合体 / APC・α_1AT複合体 / DIC / 血管内凝固前状態 / 血栓性分子マ-カ- / APC・PCI複合体 |
研究概要 |
プロテインCは生理的に最も重要な血液凝固制御因子であり、血液中をセリンプロテアーゼ前駆体として循環している。一方、微小血管内で生成されたトロンビンは、フィブリン形成や血小板の活性化よりも速く血管壁内皮細胞上のトロンボモジュリンに結合し、プロテインCを特異的に活性化する。活性化プロテインC(APC)は、凝固Va因子およびVIIIa因子を分解・失活化し、凝固反応を強く阻害する。他方、APCは血液中のセリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)のプロテインCインヒビター(PCI)やα_1-アンチトリプシン(α_1-AT)と複合体を形成し、肝や腎の特異的レセプターと反応して血液中から排除される。本研究代表者らは、これまでにAPC・PCI複合体およびAPC・α_1-AT複合体について種々の基礎的研究を行い、APC・PCI複合体がこれまでに知られているいくつかの血液凝固亢進状態分子マーカーよりも早期にかつ特異的に血液中に出現し、その病態を反映して変動することを示唆してきた。本研究課題においては、本年度は、昨年度までに開発した凝固亢進分子マーカーのAPC・PCI複合体および類似のAPC・α_1-AT複合体に対する特異的酵素免疫学的測定法(ELISA)せ応用するため、多くの臨床検体の測定を中心とした研究を行った。その結果、播発性血管内凝固亢進状態(DIC)や血栓症などの血管内凝固の亢進が予想される疾患において両複合体の血中濃度が著しく増加し、またDICの治療にAPC製剤を用いた患者においても同様にAPC・PCI複合体濃度が特異的に増加していることが判明した。こうした結果から、APC・PCI複合体およびABC・α_1-AT複合体は新しい凝固亢進分子マーカーとして有用であることが臨床的にも証明できたと考えられる。最終年度にあたり、現在、本研究で得られた成果をとりまとめて複数の論文として報告するため準備を行っている。
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