研究課題/領域番号 |
02558009
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
光岡 知足 東京大学, 農学部, 名誉教授 (30157549)
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研究分担者 |
前島 一淑 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (70051464)
後藤 直彰 東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
平山 和宏 東京大学, 農学部, 助手 (60208858)
伊藤 喜久治 東京大学, 農学部, 助教授 (50100045)
高橋 英司 東京大学, 農学部, 教授 (50183439)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1992年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1991年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1990年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | SPFマウス / SPFラット / ノトバイオート / 腸内フローラ / ノトバイオ-ト / 腸内フロ-ラ / <Staphylococcus>___ー <qureus>___ー |
研究概要 |
SPF動物は、無菌動物をバリヤ-施設に搬入して作出するが、バリヤ-施設は、微生物統御のため、環境に存在する菌の自然定着により正常腸内菌叢を構成するは不可能である。また、各施設ごとにその環境が異なり、無菌動物のnormarizationの方法も異なるため、各バリヤ-施設での動物の腸内菌叢は大きく異なる。このような各コロニーごとの腸内フローラの違いは同じ系統でも各種処置にたいして反応性が異なり、実験成績の再現性に問題が生ずる。 本研究では、生理的に正常で日和見感染病に拮抗する腸内菌叢を保有するノトバイオートを作出し、SPF動物作出のための標準的腸内菌叢を作出することを第一の目的とし、さらにその保存方法、モニタリング方法を確立し、SPFマウス、ラットの腸内菌叢を供給することを目的に検討した。その結果は次の通りである。 1.マウスですでに確立した生理的正常ノトバイオート作出法により、生理的正常ノトバイオートの作出を行った。つまり、クロロホルム処理した普通ラットの糞便(clostridiaのみを含む)と普通ラットの糞便より分離したLactobachillus acidophilus,L.murinus,L.salivariusuの各1株とBacteroides28株を無菌ラットに投与した。このラットはClostridium difficile誘発試験(-)で、緑膿菌の定着阻止効果が見られた。 2.上記同様の方法で無菌マウスにラットの腸内フローラを構成させたものでもラットのフローラを維持することが可能であり、生理的正常ノトバイオートマウスとラットフローラマウスの糞便を無菌ラットに投与することで生理的正常ノトバイオートラットの作出が可能であることがわかった。 3.生理的正常ノトバイオートマウスの保存フローラを4系統の無菌マウス(CF#1、IQI、NC、BALB/C)に投与したが系統によるフローラ構成や盲腸サイズに違いはみられなかった。 4.上記ノトバイオートマウス、ラットをバリヤ-施設に搬入して生産コロニーを作出しフローラのモニタリングを定期的に行ったところ、きわめて安定したフローラ構成を維持することができた。また、他のSPFマウス・ラットにみられるStaphylococcus aureusの汚染も現在のところみられていない。 5.上記ノトバイオートマウス、ラットのフローラの保存法について検討したところ10%または20%グリセロール加ブロス(Glucose 1g,Starch 4g,Bactotryptone 10g,Nacl 5g,K_2HPO_4 3g,KH_2PO_4 0.5g、MgSO_4 0.5g,Cysteine-Hcl 0.5g,Yeast extract 3g,DW 1000ml)に100の糞便けんだく液を作り、-80℃に凍結することにより1年以上保存が可能であり、保存液を無菌マウスに投与したところフローラ構成と盲腸サイズはノトバイオートマウスの腸内で維持した時に比べてかわりなく、むしろ、よりオリジナルの状態を維持できた。 今後さらにSPFのモニタリングを行い、より安定したノトバイオートの作出、ならびに凍結保存法、簡易モニタリング法の確立について研究する予定である。
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