研究分担者 |
赤木 玲子 岡山県立短期大学, 食物科(ロックフェラー大学医学部), 助教授 (50150967)
H P Klocking 独国, 国立医科研究所, 教授
中島 伸佳 岡山県立短期大学, 食物科, 講師 (10198070)
浜田 博喜 岡山理科大学, 理学部・基礎理学科, 助教授 (10164914)
KLOCKING H P Medical Academy Erfurt. Pharmacology, Prof.
KLOKING H.P. 独国, 国立医科研究所, 教授
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
日本の伝統食品納豆より分離された新規の線溶酵素ナットウキナーゼは分子量約2万,等電点8.6で,血栓(フィブリン)に対する強力な分解活性の他,プラスミン基質であるH-D-Val-Leu-Lys-pNAへの反応性を示した。しかし,プラスミンのタイトレーターp-nitrophenyl-guanidinobenzoate(NPGB)には働かず,N-trans-cinnamoylimidazoleによるタイトレーションで53.0%activeであった。 NKをLys-peptidase処理して得られた9個のペプチドを分析し、NKはN末端にAlaを持ち,S-S結合のない27個のアミノ酸からなるセリン酵素であること,従ってこれまでのいかなる線溶酵素とも異なり,分子内に“kringle"を持たない一本鎖ポリペプチド構造であることを明らかにした。 納豆から得たPoly-Gluを含むNK-rich蛋白をウイスター系ラットに3ケ月間わたり経口投与した(4.8万単位/kg)。その結果,血漿ELTの著しい短縮(p<0.01),pyro-Glu-Gly-Arg-pNA及びH-D-Val-Leu-Lys-pNAでみた血漿アミダーゼ活性の増加(p<0.01)に加えて腎及び肺の組織プラスミノーゲンアクチベーター活性(t-PA)の亢進(p<0.1)を確認したが,血液凝固系であるAPTT及びRe-Ca^<++>Tの変化はなかった。また,純化したNKの腸溶カプセルをボランティアーヘ投与をした結果,血漿EFAの増加と共に血中での血栓溶解を示すFDP抗原量の著しい増加(p<0.001),さらにはendogenous酵素の産生を示すt-PA抗原量の増加(p<0.005)を確認した。 今後さらに例数を増やし検討する必要があるが,以上の結果よりNK(あるいはNK-rich納豆)は血栓症の治療剤として,あるいは予防目的の機能性食品素材としてその応用開発が大いに期待できる。
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