研究課題/領域番号 |
02610015
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土屋 博 北海道大学, 文学部, 教授 (30000607)
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研究分担者 |
佐々木 啓 弘前学院大学, 文学部, 専任講師 (20178643)
宇都宮 輝夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (40109400)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生活世界 / マリア / フェミニズム / ヨハネ福音書 / 新約聖書 / R・ブルトマン / 世俗化 / K・バルト / R.ブルトマン / ケ・バルト / 文学批評 / 代名詞 / Karl Barth / 死 / 社会総合 / 牧会書簡 / パウロ |
研究概要 |
本研究の課題を簡潔に述べるならば、それは、(ア)初期キリスト教をその担い手たちの属していた生活世界という広い文脈の中で促え直すこと、(イ)それが生み出した教典文書の言語に着目し、そこにいわば埋めこまれた世界観を浮び上がらせること、(ウ)そうした作業を通じて初期キリスト教の思想的個性を明らかにすること、の3点にあった。 以上の研究成果の概要を以下に記す。(1)土屋博『聖書の中のマリア』は、新約聖書、特にルカ福音書に現われたマリア像の検討を通じて初期キリスト教におけるマリア伝承の由来をさぐり、さらにその伝承の歴史的展開をあとづける試みであり、(ア)と(ウ)に関係する。(2)同「ケリュダマとレトリック」は新約聖書研究の新らしい手法であるレトリック批評を教典研究史ならびにその背景としての思想史的文脈に位置づける試みであり、(イ)と(ウ)に関わる。(3)宇都宮輝夫「キリスト教の啓示論」「キリスト教の弁証と宣教」は、キリスト教が世俗化した現代社会の世界観とどのように対決し自らを維持したのかを探究した。これらは(ア)を現代キリスト教史の場面で考案したものである。(4)同「近代社会と宗教」「合理的思惟と宗教」は、近代社会特有の生活世界の構造と認知様式を描き出し、そうした社会における宗教の基礎と機能を明らかにした。これらは(ア)を一般論レヴェルで考察したものである。(5)佐々木啓「ヨハネ福音書におけるいくつかの文体的特徴の統合的把握の試み」「ヨハネ福音書とエピクテ-トス『語録』の文体比較再考」は、一般言語学理論・文学理論等をヨハネ福音書へ適用し、さらに同福音書と同時代の文書とを比較することによってヨハネの言語使用上の特徴を示し、それを通してヨハネ福音書の個性的な思想やその背後にある集団の個性を明らかにした。これらは(イ)と(ウ)に関わる成果である。
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