研究課題/領域番号 |
02610021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
垣内 幸夫 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50117420)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 豊澤團平 / 彦六座 / 稲荷座 / 明楽座 / 堀江座 / 近松座 / 竹豊座 / 文楽座 / 浄瑠璃雑誌 / 彦六系 / 文楽系 / 劇評 / 目次集 / デ-タベ-ス化 / 聞き取り調査 / 第18号欠号 |
研究概要 |
『浄瑠璃雑誌』は、明治32年2月の創刊号から、昭和20年2月の終刊までに、全部で425号が発行された(注1)。創刊以来長きにわたって、この雑誌の基本的性格は素人義太夫のための連絡誌であったが、そこに含まれる批評・研究、並びにそれぞれの時代を反映した論説及び文楽に係わる記事や記録は、浄瑠璃史研冬の上で大変重要な意味を持つものである。しかし残念ながら、これまでこの雑誌に注目した研究者は少なかった。わずかに国文学の佐藤彰氏(静岡県立大学教授)による先行研究が認められるのみで、音楽学の立場からの研究は皆無であった(注2)。そこで、私は本研究の成果の一端を、平成4年10月にお茶の水女子大学で開催された「東洋音楽学会第43回大会」で発表し、多くの音楽学者にこの雑誌の意義を問うたところ、数人の著名な研究者が本雑誌の重要性を認め、強くその復刻を薦めて下った(復刻については現在検討中)。私の研究課題は、この雑誌に掲載された「彦六系」に関する記述の分析であるが、『浄瑠璃雑誌』の内容が当初予想した以上に膨大であったため、残念ながら現在の段階では、未だその全容を把握していない。本研究テーマは、この雑誌の内容の全体像を把握した後に行うべき作業であり、今後継続して遂行し、近い将来にその成果をまとめる予定である。今回の成果としては、科学研究費の補助を受けて収集した『浄瑠璃雑誌』のコピーを整理し、I『明治期(1号〜99号)』,II『大正期(臨時号〜245号)の全目次』、III『「東洋音楽学会第43回大会」での研究発表資料』をまとめて、報告書を作成(製本)して提出する。現時点としては、義太夫節研究の基礎資料としての『浄瑠璃雑誌』の意義を問うことにとどめた。また、本研究成果として『浄瑠璃雑誌全目次』の出版が予定されている。 (注1)『浄瑠璃雑誌』全425号のうち(1)第18号の存在は現在まで確認されておらず、(2)39号は大幅落丁のため内容の細目が不明である。(3)第99号と100号の間に臨時号が一冊だけ発行されている。 (注2)その理由は、一部しか存在しない原資料が多く、それらが長年にわたり、個人の所蔵であったため、資料を入手することが困難であったことによる。
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