研究課題/領域番号 |
02610032
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
小野 直廣 (小野 直広) 福島大学, 教育学部, 教授 (10142895)
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研究分担者 |
星野 仁彦 福島県立医科大学, 神経精神科, 講師 (10157018)
福田 一彦 福島大学, 教育学部, 助教授 (20192726)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 登校拒否 / 中間施設 / DSMーIIIーR / 多変量解析 / 生体リズム / 短期療法 / DSMーIIIR |
研究概要 |
(1)児童精神医学的アプロ-チ 登校拒否に関わる人々が実際に持つ「登校拒否」の概念を整理することで、「登校拒否」が意味する対象(児童・生徒)が如何なるものかについて考察した。回答者の所属する社会的立場にかかわらず、「登校拒否」が意味する対象は非常に多岐にわたり、「登校拒否」は、典型的な神経症的中核群だけを指すのではなく、その他の周辺群を包含する非常に多様な概念であった。つぎに、多様な症例を包含する「登校拒否」を理解するために、DSMーIIIーRと多変量解析を用いて分類を試みた結果、神経症的な登校拒否児が最も多くを占めたが、その次に多かったのはおそらく怠学傾向を有すると考えられる非典型的な登校拒否児であった。(2)時間生物学的アプロ-チ 登校拒否児の随伴症状のひとつである睡眠リズムの障害について検討した。医療機関を受診する登校拒否児の約7割に睡眠リズムの障害が認められた。同調因子の減少を引き起こすと思われる欠席日数そのものをとりあげ、リズムの障害との関連を検討した。その結果、リズムの障害は、欠席日数と密接に関連しており、欠席日数(および欠席率)の増加ともに重症化する傾向のあることが明らかになった。リズムの障害は登校拒否の発症後に起きていることから、二次的な障害であると考えられたが、特に昼夜逆転などの重症化した症例の場合は、さらに欠席を長期化させる可能性も考えられた。(3)心理臨床学的アプロ-チ 登校拒否児の中間施設である「ごんた塾」での実践、家族療法(短期療法)による治療事例、学校現場で、様々な人から構成される「治療共同体」を中心として行われた治療実践の経験を紹介するとともに、人と人とのかかわりあいからシステムが生まれ、個人の治療への方向付けが生じるとともに、システムを構成する他者にも変化が生じることを明らかにした。
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