研究概要 |
平成2年度:パイロットで追跡中の8ケ-スについて、生後6か月、12か月の家庭訪問を行った。心理社会的ストレスと母親としての態度、自己概念の測定と子どもの愛着の性質の測定を行ない,方法の検討を行った。又、妊婦56名を対象に、心理社会的ストレス、母親としての態度、社会的支持の程度の測定を、妊婦期2回と生後1か月に行った。 平成3年度:パイロットケ-スの18か月の家庭訪問を行い、愛着の性質の測定方法の検討を行った。又、本サンプルについて、3か月、6か月、9か月、12か月の調査を行った。変数は、心理社会的ストレス、母親としての態度、家族システムの変化、社会的支持の程度、自分自身の親子関係の認知、子どもの特徴、母親の自己概念、母性行動、子どもの愛着の性質であった。1か月、9か月の調査は質問紙で、3か月、6か月、12か月の調査は、家庭訪問での面接と観察で行った。12か月の愛着の性質の測定は、Q分類とStrange Situationを改訂したもので行った。現在、12か月の愛着の性質の測定を継続中であり、それが終了次第、母親の心理社会的ストレスの程度、母性意識との関係を分析する予定。 妊娠中、出産後の心理社会的ストレスや家族システムの変化が、夫や自分自身の親からのサポ-トによって緩衝された形で影響を及ぼすことが示された。又、母親としての自己概念・評価が6か月頃を境に,よりポジティブなものに変化して行くことがあること、それは夫との関係によって影響されることが示された。更に、母親として考え方や意識、子どもへの行動、夫との関係が、母親自身の子どもの頃の親子関係に強く影響されることが示された。
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