研究課題/領域番号 |
02610055
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒川 正流 広島大学, 総合科学部, 教授 (90037036)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 社会的影響過程 / リ-ダ-シップ / リ-ダ-シップ認知構造 / 性差 / 女性管理職に対する態度 / 性役割態度 / ジェンダ-・スキ-マ / 勢力行使方略 / 影響方略 / 女性管理職 / 女性管理職への態度尺度 / 職務の性度 / 女性の職場 |
研究概要 |
本研究は、社会的影響過程の典型現象であるリ-ダ-シップ行動とその効果に着目し、そこに出現する性差の規定要因を実験的・実証的に吟味したものである。平成2年度には、(1)地方自治体の管理職を含む職員1,000名を対象として、男女管理職のリ-ダ-シップに関わる諸問題についての包括的な調査を実施した。(2)特定の行動特性を有する人物に対する評定を求め、評定者と被評定者の性の効果を吟味した。(3)集団業績情報が監督者の評価に及ぼす影響を性差の視点から実験的に吟味した。平成3年度には、(4)女性管理職に対する態度尺度を、一つの尺度で同時に男性管理職に対する態度をも測定できるよう改訂し、両者に対する態度構造を吟味した。(5)リ-ダ-シップ行動の性差を、性役割態度と勢力行使方略の面から実験的に検討した。(6)自分の属する性別が意識される場合の自己定義方略の性差を実験的に吟味した。 これらの成果は以下の6編の報告にまとめられた。(報告1)リ-ダ-シップに関わる行動や特性の多くは、その主体と評価者のジェンダ-により評価差が生じることが確認された。(報告2)監督者に対する女性の評定は男性のそれにくらべて、与えられる生産量情報に左右されやすい。(報告3)男性管理職に対する態度と女性管理職に対する態度は必ずしも完全な逆相関を示さず、また女性管理職態度は女性上司のM得点と関係する。(報告4)課題の性度と自分の性が適合する場合に、男女とも部下への影響意図が増大し、その傾向は男性に顕著である。(報告5)上司の性と部下の性の組合せによってリ-ダ-シップ認知構造が異なり、部下のモラ-ルに効果を有するリ-ダ-行動の項目が異なる。(報告6)性別が強調される場面では、女性は自己定義方略としてBemのいうジェンダ-・スキ-マを使用するが、男性は欧州の先行研究と異なり、グル-プ・スキ-マを用いるという証拠は得られなかった。
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