研究課題/領域番号 |
02610077
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松村 和則 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70149904)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スポ-ツ・リゾ-ト / 雇用増大 / コミュニティ形成 / 余暇資源開発 / 家族機能開発 / 定住化促進 / 漂白者 / 定住化 / 家族機能回復 |
研究概要 |
福島県南会津郡舘岩村・田島町・南郷村の3ヵ町村での調査を終え、今年度はそれらの補充調査と新たに耶麻郡磐梯町、猪苗代町、北塩原村の調査を実施した。しかし、磐梯町のスポ-ツ・リゾ-ト計画の許認可関係が計画より遥かに遅滞し、計画実施前後の住民の対応を追う調査が実施できず、本研究期間においてこの事例を放棄せざるを得なくなった。平成2年度における研究成果は平成3年5月に『「スポ-ツの現代化」と地域振興』(松村和則・佐藤大介編/筑波大学「スポ-ツの現代化」研究会発行P.1ー29、53ー74)において発表した。福島県耶麻郡の3ヵ町村の事例については、産業基盤の実証に欠かせない統計資料、開発関係集落の聞き取り調査を終えている。しかし、これらはいずれも村落社会の変動を実証する為の悉皆調査を実施するまでには至らず、町村レベルの変動要因の予備的調査を完了したに留まる。しかし、磐梯町は源橋、北塩原村は早稲沢にそれぞれの対象地域を絞り込み、集落レベルでの聞き取りを継続中である。平成3年度の研究成果は、南会津郡の3ヵ町村の事例に限って取りまとめる。それぞれの地域に個性を見ることができるが、スポ-ツ・リゾ-トの建設による村落社会の変容に限定すれば、(1)雇用増大、(2)コミュニティ形成、(3)余暇資源開発、(4)家族機能開発(定住化促進)と昨年度の調査で帰納的に導出した機能に関する仮説の中でも(1)、(4)を中心として実証しえた。しかし、その機能には限界があり、スキ-場開発に偏ったスポ-ツリゾ-トの問題点も指摘できる。しかし、南郷村では高齢者の新たなコミュニティ形成の兆しが見え、田島町では都市からの来住者を交えたこミュニティ、開発主体の村落と他の地域とのネットワ-ク形成がみられる。開発の歴史的要因を探ると木地師を中心とした「漂白者」の集落である。こうした開発主体の歴史的分析が今後もっと深められる必要がある。
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