研究課題/領域番号 |
02610084
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
平 英美 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (10135501)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 授業 / 会話分析 / 順番どりシステム / 教授的シ-クエンス / キ-イング / 発話権の制約 / 同時的発話 / 枠外活動 |
研究概要 |
本研究は小学校の授業をビデオにより録画し、その言語的相互作用を会話分析の方法を用いてトランスクリプト分析したものである。その結果、“Learning Lessons"[1979]でMehanが指摘するように(1)授業の基本的発話シ-クエンスは、先生(教導)ー生徒(返答)ー先生(評価)の3タ-ンからなる教授的シ-クエンスであること、(2)授業は独特の義礼化された開始および完了部分によって枠付けられたキ-イングというフレイムであること、(3)教授的シ-クエンスは、指示、情報伝達、発問等機能別に類別でき、それらがトピック運営を軸に連続的かつ階統的に構造化されていることが判明した。しかし、授業を先生と生徒の相互作用秩序の維持過程としてみた場合、秩序の達成は自然な会話同様、局域的かつ協同的な発話の順番取りシステムの運営に大きく依存している。会話と比較したその特徴は(1)順番が予め割り当てられ話し手の選択が制約されていること、(3)生徒の発話権の獲得に指名、競合他ヴァリエ-ションがあるものの結局それは先生の決定に委ねられていること等他の制度的な=発話者間の権利が非対称的である発話交換システムに共通するものであった。しかしながら、授業では、(1)生徒から始まる副次的シ-クエンスが非常に多いこと、(2)同時的発話への許容性が一般に大きいこと、(3)先生によるフレイム維持活動に抵触しない範囲で生徒は授業の枠外活動を一定許容されていること等他の制度的な相互作用には見られない「可塑性」があることを新たな知見として強調しておきたい。これらの点について詳細は報告書を参照されたい。
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