• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ドイツ語圏における巡礼慣習

研究課題

研究課題/領域番号 02610140
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学
研究機関愛知大学

研究代表者

河野 眞  愛知大学, 教養部, 助教授 (20113053)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
キーワード巡礼 / 信奉体 / 聖者崇敬 / マリア崇敬 / 行列 / 反宗教改革 / 霊験記 / 兄弟団
研究概要

本研究では、ドイツ語圏を中心に、ヨ-ロッパの巡礼慣習の特質を歴史的に解明すことをめざした。当初の計画とは異なり単年度の作業になったものの、所期の方向において一定の有益な知見を得た。
ヨ-ロッパの巡礼慣習は、従来は突っこんで探究されなかっただけでなく、本邦の巡礼習俗との連想で、西洋研究者によってすら主要に宗教的な行為としてのみ着目や紹介がなされるのが常であった。しかしその歴史的・社会的な意義は、むしろ本邦の宗教習俗とは根本的に異なったところに存すると言うべきである。すなわち巡礼慣習は、ヨ-ロッパ社会が中世世界を脱却して近世社会の形成に向かう時期に、生活次元の人間関係のあり方と深くかかわりつつ育成された共同体行事という性格が濃厚である。その実際の行動様式も、特定の期日(夏期の穀物収穫直後が多い)に地域ごとにまとまって行列を組んで、一日程度の徒歩距離にある特定の信奉体へ赴くのが典型的であった。またそうした行為の対象となる無数の在地的な巡礼地が16世紀以降の時期に急速に成立してゆくのであるが、これ自体が地域共同体の再編と密接に関係した動向に他ならなかった。またそうした性格の故に、これら無数の在地的な巡礼地は、ヨ-ロッパの本格的な近代国家時代への移行とその国内整備が推進された18世紀後半から19世紀にかけての時期には、その基盤である近世的な地域共同体と共に、国家公権による再度の編成の対象と目されたのであった。
こうした基本的な性格や推移はヨ-ロッパ各国に共通してみられるものであるが、本研究では一般的な動向のみならず、特定地域として高地オ-ストリア州への着目をも併せておこなうことにより、歴史的な実態把握の一層の深化を期した。
研究成果は、平成3年度中にとりまとめる予定である。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 河野 眞: "ドイツ語圏における巡礼慣習" 愛知大学「文学論叢」. 99. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi