研究課題/領域番号 |
02610234
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 久雄 (1991) 東京大学, 教養学部, 教授 (50157682)
荒井 献 (1990) 東京大学, 教養学部, 教授 (40012439)
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研究分担者 |
秋山 学 東京大学, 教養学部, 助手 (80231843)
佐藤 研 立教大学, 一般教育部, 助教授 (00187238)
本村 凌二 東京大学, 教養学部, 助教授 (40147880)
安部 素子 東京外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師
荒井 献 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (40012439)
宮本 久雄 東京大学, 教養学部, 教授 (50157682)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 女性 / 結婚 / 出産 / 姦通 / 婬行 / 淫母 / 女弟子 / フェミニズム / 淫行 / 聖母 / 父系社会 / 奴隷 / 売春 / 男女平等 |
研究概要 |
まず「古代ギリシアにおける女性」と題する分野で研究をすすめ「〈正義〉とパンド-ラ-」との題で論文を発表した安部によれば、古来「女性嫌悪者」として悪名高いヘ-シオドスは、主として後代の歴史伝承に由来するものであって、この点でヘ-シオドス像は変貌しうるとされる。 次に「古代ロ-マの政治史・一般史における女性」という分野を担当し「〈結婚〉と女性の地位」との題で論文を執筆した本村によれば、ロ-マの結婚観は家名重視から男女の正当な結びつきを重んずるものへと次第に変貌を遂げていったとされる。 また「古代イスラエル・初期ユダヤ教における女性」との領域を分担し「初期ユダヤ教における神の〈女性化〉」との論文を記した佐藤研によれば、旧約聖書時代からユダヤ教成立期、さらには新約聖書時代へと時代を経るにしたがって、イスラエルにおける神観念は厳格な男性神から次第に女性的な性格を帯びていったとされる。 そして「ギリシア語教会文献における女性」と題して研究をすすめ「『ヨハネ福音書』における女性」と題して小論を記した秋山によれば、『ヨハネ福音書』において女性たちは特にキリストを「言葉」として確立する上で決定的な役割を果たしたとされる。 このほか荒井献は「初期キリスト教およびグノ-シス主義における女性」、また宮本久雄は「キリスト教教父たちにおける女性」との題目で研究を行った。荒井によれば、古代教会の成立・発展に伴って女性の地位は次第に向上していったとされ、その原点にはイエスがあったという。また本研究を通じ、その代表者としての立場にあった宮本によれば、女性というものを研究対象とするには、現実の女性にいかに接すべきかに関しての信念が必要であり、その模範は古代教父たちに仰ぐことが出来るとされる。
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