研究分担者 |
高木 祥司 大阪大学, 基礎工学部, 教務職員
松尾 精彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00199754)
谷口 正信 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00116625)
稲垣 宣生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10000184)
磯貝 恭史 大阪大学, 教養部, 助教授 (00109860)
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研究概要 |
1.Uー統計量は最良不偏推定量であり、弱い条件の下で漸近正規性が成立する,という理論的最適性を持つ・しかしながら,その計算量の大きさのために次数の大きい場合は実用的とはあまり見なされなかった.また区間推定を行なうには,その分散を推定する必要があるが,実用的な分散推定量は知られていなかった.本研究の目的はUー統計量のこれらの難点を克服することにあった.2.計算量を小さくする問題は,2標本問題において実用的な多くの場合に適用できるようこれまでの研究を整理し,さらに一般な場合への拡張を試みているが,理論的にはまだはっきりしない.3.Uー統計量の分散の推定では,分散をさらに高次の核関数を持つUー統計量で推定する方法(U法),ジャックナイフ法,ブ-ツトラップ法およびそれらを不偏となるように変換した方法を多くのUー統計量について計算機シミュレ-ションで比較し,U法とブ-ツトラップ法が総合的に優れていることを示した.さらに,最も実用的なUー統計量であるマン・ホイットニ-統計量の場合にはU法が最良との結論に達した.これらの結果は現在投稿中または投稿準備中である.その他の2標本Uー統計量の場合についても現在数値計算を行なっている.4.分布関数を推定する場合に,平均2乗誤差の意味では複雑な核型推定量が良いと証明されているが,2乗誤差では単純な経験分布関数との違いは小さく,本質的には差がないことを示した.これらの証明にはUー統計量の特質を用いており,結果は現在投稿中である.5.研究分担者の研究は以下のとおり.(1)稲垣・高木はUー統計量を含む推定関数の漸近理論を研究し,学会で講演予定.(2)松尾は一般化線形模型をUー統計量の立場からまとめている.(3)谷口は時系列への応用を研究し,テクニカル・レポ-トにまとめ,学会で講演予定.論文は投稿準備中である.
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