研究課題/領域番号 |
02630039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
内山 雅生 金沢大学, 経済学部, 助教授 (30151905)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 共同体 / 共同関係 / 共同性 / 中国華北地方 / 南満州鉄道株式会社 / 共同行動 / 中国農村慣行調査 / 冀東地区農村実態調査 |
研究概要 |
本研究の目的は、戦前期に日本の南満州鉄道等が実施した中国華北地方の農村調査を分析して、一般に近代社会の成立において解体されたと理解される「共同体」、特に「農村共同体」に焦点をあわせ、中国近代史において「共同体」の解体過程とその残滓について歴史的考察を加えようとするものである。本研究がそのような目的を設定する背景には、近年の中国において「人民公社」が解体し、農業生産責任制に移行するなかで、「共同体」的な農業慣行が復活しているという事実に起因する。なお本年度は、前述の農村調査に一つである『中国農村慣行調査』および『冀東地区農村実態調査』で取り上げられた河北省・山東省の農村を都市近郊型農村・商品作物生産を中心とする農村・伝統的社会構成を強固に維持する農村に類型分けし、各農村が1930年代および40年代にいかなる経済構造のもとに、いかなる社会運動を展開し、解放に至ったか整理分類し、さらに農業慣行の実態を明らかにし、新中国成立後の段階でいかなる役割をもって農業集団化に至ったか検討し、改めて中国農村における「共同体」の解体の意味を考察するという研究計画を立てた。 そこで台湾より復刊された『民国二十年代中国大陸土地問題資料』等の中国近代経済史関係図書購入し、『中国農村慣行調査』および『冀東地区農村実態調査』等で取り上げられた地域または近隣の農村を中心とした歴史的変容過程を、最近中国華北地方で実施された実態調査に基づく研究成果との比較検討作業をも含めて、農業慣行の変化を中心に再構成してみた。その結果伝統的な農業慣行を中心に同族的結合に基づく共同労働が村落の運営に重要な役割を持っていたこと、さらに農業慣行の一部は新中国において集団化に至るなかでも生産隊を核とした村落結合において重要な役割を持っていたことが明らかになった。
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