公共投資とそれによって形成される公共資本は、地域の経済発展の基盤である。本研究では、わが国の公共投資政策がどのように展開してきたかを、特に公共投資の地域間配分の展開について、規範的・実証的に分析した。分析は資料が利用可能な昭和33年以降について行われた。 規範的な分析についての結論としては、わが国公共投資の地域配分に関する展開過程は、政治の泥沼のなかで配分されているのにもかかわらず、理論モデルによって得られる最適なパタ-ンをたどっていることが示された。 戦後の各時代の公共投資の配分をきめた要因については、各時代について、所得分配の地域間の不平等の是正が最も重要であったこと、昭和30年代については、高度経済成長の達成という要因が働いていることが示された。
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