研究概要 |
本研究では葉層構造の性質についてさまざまの観点から調べることを目標として毎週1回セミナ-を行なうなどの方法で情報収集および研究や討論をした。 三波篤郎はHe^^'non写像の周期点の個数に関するBihanーWenzelの数値実験について報告し,その表で構造安定性を意味するのではないかと思われていた部分について考察を加え,それが対応するhorseーshoe型の力学系の安定多様体と不安定多様体が横断的に交わることに由来するということを証明した。またkneading sequenceに関するDouadyーHubburd,Sullivanの結果に関連して複素力学系,Teichmiiller空間について研究中である。 鈴木治夫は主O(n)バンドルPo=U(n)Xo_<(n)>U(n)→Mo=U(n)/O(n)に対応する複素ベクトルバンドルEoが自然な複素構造Joとラグランジュ部分バンドルLoをもつことを見て,Vaismanの定めたChernーSimonsーMaslov類μ^h(Eo,Jo,Lo)を計算した。 西森敏之は高余次元の葉層構造の定性論を展開することを計画して,そのモデルケ-スとして相似変換擬群(とくにその極小集合)を定性論的に研究して,余次元1の場合の古典的定理であるsackstederの定理の相似擬群版のアナロジ-を証明した。さらに余次元1の場合の例外極小集合に対応するある種の極小集合に対して各点における無限小分布次元という概念を導入し,Sackstederの定理のアナロジ-を使うことによって無限小分布次元が極小集合の局所的な分布を制御するようすを明らかにした。
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