研究分担者 |
水野 透 富山大学, 理学部, 助手 (10018997)
久保 文夫 富山大学, 理学部, 助教授 (90101188)
東川 和夫 富山大学, 理学部, 助教授 (20018998)
鈴木 正昭 富山大学, 理学部, 教授 (10037236)
渡辺 義之 富山大学, 理学部, 教授 (50018991)
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研究概要 |
当初の研究計画にしたがい、各分担者がそれぞれの課題について研究を実施した。また,学外の研究者を多数、富山大学に招き,研究・討論を行なうことができた。 拡大環として,整域の単純拡大環をとり上げた。Rが整域,R[α]がその単純拡大環のとき,I=Ker(R[X]→R[α])はRの商体Kをとるとき,IK[X]は単項イデアルZ(X)K[X]である。そこで、この生成元Z(X)に注目して,R[α]〓R[X]/Iの構造を調べて,次の諸結果を得た。 1.superーprimitive多項式に関するSharmaの定理を改良し,Iが単項イデアルになるための必要十分条件を得た。 2.RのイデアルL={a←R:aZ(X)←R[X]}を考えて、R[X]にdivisorially flatという概念を導入した。つまり、TをRの単項イデアルのprime divisorとなっている素イデアルの全体としたとき,R[X]/Iがdivisorially flatとは,Tの任意の元が,Lc(Z(X))を含まないことである。ここにC(Z(X))はZ(X)のcontent idealである。このとき,次が成り立つことがわかった。R[α]がdivisorially flat【tautomer】各p←Tに対して,Ipが単項イデアル【tautomer】各p←Tに対して,Lpが単項イデアル【tautomer】Iはmin(I)で生成され、各p←Tに対して,Rp[X]/IpがRpーflat。 3.二つの概念flatnessとdivisorial flatnessが一致する条件に関して,Rがseminormalのとき,R[X]/Iがflat【tautomer】R[X]/Iがdivisorially flatかつC(I)=Rという結果を得た。さらに,RがKrull domainのときは,R[α]は常にdivisorially flatということも証明した。 4.Rの単純拡大の特殊な場合として,minimal overingを考えることができる。Rがaffine domainの場合に,その存在に関するほぼ完全な結果を得た。 以上の研究を整理、総括し,一層発展させることを望んでいる。
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