研究分担者 |
安本 雅洋 名古屋大学, 教養部, 助教授 (10144114)
篠田 寿一 名古屋大学, 教養部, 助教授 (30022685)
三宅 克哉 名古屋大学, 教養部, 教授 (20023632)
横井 英夫 名古屋大学, 教養部, 教授 (50023560)
江尻 典雄 名古屋大学, 教養部, 助教授 (80145656)
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研究概要 |
構造を持った幾何学,あるいは数理物理学的視点からのヒントを得た整数論的結果として以下のような成果を得た。 1.計量から定められるラプウス方程式の固有値2を持つ固有関数の次元の変動を調べ,変化が起こる理由を,数理物理学のトゥイスタ-理論によっての自然な説明を与えた。それにより,球面の自己正則写像のエネルギ-をポテンシャルとして持つシュレジンが一作用系の固有関数についての問題に肯定的な解答を与えた。これを用いて,平担な端点を持つ3次元ユ-クソッド空間内の極小曲面のガラス写像を,分類することが出来た(江尻典雄)。 2.Lie接触構造の一般論を展開し,多様体の接球束のLie接触構造については,その上の一意に定める標準接続が,多様体の共形接続から自然に定まることを示し,構造の研究の基本的な方向を得た(佐藤肇及びその他)。 3.系列別式の実2次体F=〓(√<P>)(系数P〓1 mod4)において,Pー不変量が,nq≠0の場合には,ただ1個の可能な例外を除いて,P>12×10^6なる系数pに対して,実2次体Fの類数はすべてh_F=1となることが判明した(横井英夫)。 4,有限次代数的数体の最大羃零拡大のガロア群の構造について,profiniteーnilpotent群としての代数的構造が単純であることを示し,算術的構造は,その最大ア-ベル剰余群に類体論が与える局所一大域構造が自然に持ち上がっていることを示した(三宅克哉)。 5,この他,構造を持った多様体に関する結果が,いくつか得られたが,逆に数学的方法が,数理物理に与え得る理論の発展に努力し、又,更にそれらが,多様体の構造に関しての新しい不変量を与える可能性を探ることが,今後の課題である。
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