研究課題/領域番号 |
02640059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
塩浜 勝博 九州大学, 理学部, 教授 (20016059)
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研究分担者 |
ITOKAWA Yoe 九州大学, 理学部, 助手 (90223205)
趙 康治 九州大学, 理学部, 助手 (10197634)
吉田 正章 九州大学, 理学部, 助教授 (30030787)
梶原 壌二 九州大学, 理学部, 教授 (90037169)
白谷 克巳 九州大学, 理学部, 教授 (80037168)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 多様体 / リ-マン計量 / 曲率 / 微分形式 / ハウスドルフ収束 / ベッチ数 / 微分同相 / ホモロジ- |
研究概要 |
本研究はリ-マン多様体の曲率と位相との関連をモ-ス理論の立場から捉えなおして新しい見地を開拓することであった。モ-ス理論で基本的な事柄は多様体をいかにしてユ-クリッド空間に自然に埋め込むかを知ることであり、その方法のひとつとして距離関数を用いて埋め込みを構成する方法が開発された。特に凸関数を用いて自然な埋め込みを構成する方法も開発されつつあり、その成果を以下に述べよう。リ-マン多様体族で、リッチ曲率nー1以上、断面曲率の下限及び体積の下限を与えたとき、その直径がπに十分に近ければ、単位球面とのハウスドルフ距離が十分に近くなるような埋め込みを距離関数を用いて構成し、Eschenburgの球面同相定理を微分同相定理に拡張することに成功した(塩浜)。更に、同様のアイディアが直径曲率の下限のみを条件としても成立することが、糸川ー町頭ー塩浜によって証明された。大津によって開発された可縮半径の評価の方法は直径曲率の制限に対しても適用可能である事がわかり、直径曲率正の非コンパクト多様体の体積の増大度がR^nのそれと同値であれば、R^nに微分同相であることが糸川ー町頭ー塩浜によって証明された。この事実は距離関数の臨界点が原点以外に存在しないというモ-ス理論的発想の成果である。更に、コンパクトリ-マン多様体の曲率が1以上で半径がπに十分近いとき、一般化されたトポノゴルフの定理を応用して、この多様体と単位球面のハウスドルフ距離が十分に小さくなることがわかり、球面微分同相定理を更に発展させることに塩浜ー山口は成功した。本研究を更に深めることによって、曲率が1以上、直径がπに十分に近いときの多様体族のハウスドルフ極限が2個の臨界点を持つ位相多様体となるであろう事が予想されるが、これは非常に困難な問題であって、世界各地の幾何学者が現在この解明に取り組んでいる。
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