研究課題/領域番号 |
02640086
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安藤 毅 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (10001679)
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研究分担者 |
大久保 和義 北海道教育大学, 札幌分校, 助教授 (80113661)
中村 美浩 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (50155868)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 作用素 / 正定値 / マジョリゼ-ション / 不等式 / ノルム / 順序構造 / 平均 |
研究概要 |
作用素、特に行列の空間では、作用素の正定値性から入る順序構造が基本となるが、他にも完全正値性から入る順序構造やマジョリゼ-ション関係から入る順序構造などがあり、作用素論・作用素代数論で重要な役割を演じている。また、これらの順序構造と関連して作用素および行列に対するいくつものノルムが考えられている。本研究は、作用素の順序構造と代数構造に立脚して、作用素および作用素空間上の線形写像の各種のノルムの性質を解明することを目的する。以下に本研究で得られた主要な成果を述べる。 1.工学などのいろいろな分野に現れる非線形な方程式の一つにRiccati方程式がある。安藤は、Bunce等と特に応用上重要な行列を係数とするRiccati方程式の解の表示を、今まで知られていたものとは別の変分型パラメ-タ-を使った形で行なった。 2.順序構造やノルムの不等式を扱うときに、いろいろなスカラ-の不等式が重要でありかつ必要である。安藤は中村等と、Sierpinskiの不等式およびKy Fanの不等式について新たな考察を試みた。 3.正値作用素の順序関係は、ある種の操作を施しても保たれることが多い。特に、順序の付いた正値作用素の組に対していろいろな平均を考えたときに、これらの間には一定の規準で順序が付くものと予想される。安藤は久保とともに、対称関数から決まる平均操作について、これらの間の順序関係を確立した。 4.作用素スペクトルの研究は、作用素論において基本的な役割を果たしている。日合・中村はvon Neumann代数の枠組みで作用素のスペクトルの間のマジョリゼ-ションの関係を研究し、ユニタリ不変ノルムの下でのユニタリ軌道間の距離およびユリタリ軌道の凸包への距離などをスペクトル配列を用いて表示する公式を求めた。
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