研究概要 |
研究代表者、中嶋文雄は、ダッフィング方程式の周期解曲線の変形について研究した。この方程式に対する計算機による秀れた研究業績として、京都大学、工学部の上田〓亮教授の仕事が知られている。その一部に、方程式の外力の大きさを変化して行くとき,周期解が持続的に存在して、その曲線の形状が著しく変化することが知られている。本研究は、この現象を、数学的に定式化し,定理として表現し,それに厳密な証明を与えることを目的とするものである。これに対する成果として,復元力の項が3次式の場合,解のパラメ-タ-に対する展開を用いて,上記の定理の証明に成功した。この成果は、本年9月の京都私学会館における,微分方程式の国際会議で発表した。 研究分担者、佐伯卓也は、計算機を用いて、モンテカルロ法によるπへのアプロ-チを始めとし,計11編に登る論文を発表し,多大の成果を収めた。 研究分担者、松本耕二は、DirichletのL関数の2乗平均値に関する研究を推進した。とくに桂田昌紀氏との共同研究において、HeathーBrown(1981),本橋(1985)の結果を深めて、q・漸近展開のほとんど最終的な形に到達した。 研究分担者、沼田稔は、パ-ソナルコンピュ-タ-を用いて、有限体の原始根をさがし、それをもとに、さまざまなデザインを作った。又、コセクタ-の“regular polytope"の本に出てくるn次元正多面体の2次元への射影の図をコンピュ-タ-に書かせた。
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